VOL.107 伝説のセンター長会議 重要性が増すVOCについて ~その2~
今回は、各社三者三様の運用をしているVOC活動について、実際には「上手くいっていないVOC活動」と「上手くいっているVOC活動」に分かれます、実際には圧倒的に「上手くいっていないケース」が多いと思いますが、項目毎に比較してみるとその違いが明確になってきます。
冒頭のマトリックス表をご覧下さい。まず担当ですが、多くのコールセンターではSV・マネジャーが片手間で整理・作成している体制だと思いますが、実際にはその体制だと厳しいと思います。上手くいっているセンターには“ナレッジスペシャリスト”・“ナレッジマネジャー”のように専門職を配置しています。VOCの整理・分析のみならず、履歴から必要なFAQを抽出したり、アクセスログを分析したりと、今やコールセンターにとって欠かせないポジションがナレッジスペシャリストだと思いますので、まずは担当の整理から着手するのも一つの方法です。
次に内容ですが、履歴・テキストから定性・定量の内容をまとめる事がメインだと、1年も経たないうちに形骸化してしまうリスクがあります。単にVOCを整理してテキストにまとめるだけでは経営陣も「はい!ありがとう!」という一言で終わってしまいます。そこから課題を抽出して、経営層に判断してもらう・他部署も巻き込んで検討するプロセスを入れるだけ一気に活性化していく事もあります。また、テキストの文字情報だけだと臨場感に欠ける部分もありますので、生の音声ログや関係部署からの情報なども織り交ぜると体系立てた報告になるはずです。
そして、スタンスに「経営に忖度・お化粧直し」する事なく、「率直・真剣勝負」と書いてありますが、ここも重要なポイントで経営陣にネガティブな声を届けるのは避けよう?という意識が働き、心地よいVOCしか報告しないというケースもたまに耳にします。逆に、少数意見のマイナーな声ですが、ヘビークレームだったのであたかも多くのお客様から言われているように恣意的な報告をする事も耳にします。特に生の音声ログはインパクトが強いので時に印象操作になるリスクもあるので、報告する側が特に注意をしないといけないポイントと思います。
VOC活動は、開始当初、報告当初は経営陣も興味を持って聞いてくれると思いますが、1年も経過すると段々形骸化していくリスクがあります。そして一度形骸化してしまうと、そこから抜け出すのが非常に難しいのもVOC活動です。もし、既に上手くいってないセンター状況に陥っているセンターは、今回の上手くいっているセンター事例を参考に立て直しを図るのも一つの方法だと思います。
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