Vol.64 経営に認められるコールセンターの創り方 ~その1~
どうしても、日本においてはまだまだコールセンターの社内におけるポジションが決して高いとは言えない状況にあります。その状況をどのように打開して「経営に認められるコールセンターを創っていくか!」というヒントを得てもらう事も目的の一つにしています。
また、複数の企業様からお声かけいただき「経営に認められるコールセンターの創り方」というテーマで講演活動もしています。今回はその中の抜粋版をお届けします。
下記2つの研修は新型コロナウイルスの影響で、延期になりました(時期が決まりましたら追って連絡します)
◆ 4月22日(水)・・・東京の家電会館で実施予定◆ 5月27日(水)・・・大阪のマイドーム大阪で実施予定
●「コールセンター運営の基本知識とマネジメント入門講座」を実施します。
詳細はここを参照では、どのようにして「経営に認められるコールセンター」にしていくかですが、当然ながら一つの施策・アクションで見方ががらりと変わるはずはありません。冒頭の図にもありますように、多くの管理者・センター長の皆さんは「経営層に何を報告すればいいのか?」、「人件費を減らせ・減らせとばかり言われる」、「コストセンターと揶揄される」、「品質と生産性が一向に向上しない」という嘆きを、どこのコールセンターに伺っても聞こえてくる声です。
今回からシリーズで、この経営層からのコールセンターの見方に関して、少しでも意識変革をもたらすにはどうしたら良いのかにフォーカスを当ててブログを書いていきます。
初回は「経営層とのギャップを最小化しよう!」です。
そもそも、例えば営業部に関しては売上金額・売上数・営業利益など非常にわかりやすいKPI指標がありますので、どの経営層でもその部署の善し悪しは一目でわかりますが、ことコールセンターに関しては「応答率」、「放棄率」、「サービスレベル」、「稼働率」、「AHT(1件あたりの処理時間)」、「CPC(Cost Per Call)」など、一般の経営層には難解で意味の分からないKPIばかりですので、そもそも、何をもって現在のコールセンター運営(アウトソーサーからしたらコールセンター経営)が上手くいっているかどうかがわかりません。ですので、ここの誤解や理解不十分な点などの相互のギャップを最小化しない事には話が始まりません。
一例を挙げれば、自社運営(インハウス)の場合、コールセンター部門単体で営業利益を稼ぐ事を目的としているセンターは少ないので、基本は期初に定めた年間予算の範囲内での運営が重要になります。では、果たして期初に定めたコール量予測(年間・月間・日間・時間帯別)・将来の変動要素(イベント・人員構成・時給単価・派遣法/労働契約法の法令改正など)をきちんと盛り込み、精緻なコール量予測からシフト配置、要員計算を行っているかというと、残念ながらどんぶり勘定で計算しているコールセンターが多いのが実態です。すると、期中に急にコール量が増えて人員を増やしたい(予算を超える)事態が発生して稟議を挙げても、「そんな事は予算時には聞いてないし、君の見積が甘かったのでは?」と返されて終わりです。結局、コールが逼迫してきてもオペレーターを増員できなければ、電話は繋がりにくくなりお客様には迷惑がかかりますし・現場稼働率が高くなりますオペレーターも疲弊します。オペレーターのメンタルケアも怠れば、欠勤率・離職率にも悪影響が出てくる事態になりますが、そこで、「応答率が80%を切ってきたので・・」とか、「稼働率が90%を超えてきたので・・」とか経営層に説明しても、まず聞き入れてもらえない事が多いです。
では、このような状況に陥らないようにどうしたら良いのかについては、次回に整理して説明したいと思います。