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コールセンターのちょっといい話

Vol.33 離職率の高いコールセンターと低いコールセンターとの違いは何?

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コールセンターの早期離職問題を考えるの“番外編”です。
前回までシリーズで早期離職してしまう4つのギャップについて説明してきました。では、離職率の高いコールセンターと低いコールセンターではいったい何が違うのでしょうか?
(参考)右記はベルシステム24の採用募集記事にあった休憩室の写真です。
 

【離職率の高いコールセンターの共通点】

・テクニカルサポートよりも、一般相談・クレーム対応の比率が多いコールセンターは、やはり離職率が高い傾向にあります。テクニカルサポートでも相当高度なスキル・知識が必要だと離職率も高くなります。一般相談系の場合は、逆に覚える情報は多いのに単純作業にマンネリ化が発生してくるので長続きしない傾向があります。そしてクレーム対応の比率が多いとどうしても離職率が高くなります。特に電話の特徴として目に見えないお客様は対面接客に比べてクレームの度合いが格段に厳しくなります。私も過去に何度も「謝りに来い!」と怒鳴られ、謝罪訪問の経験がありますが、電話口であんなに怒っていた方でも謝罪訪問をして対面で接すると、それでも怒りを表す方はまれです。それだけ電話対応のストレスは相当なものです。
*難しくて覚えるのが大変!
*逆に覚える事沢山だが単純作業すぎてマンネリ!
*クレーム対応など精神的にきつい!
 

という状況をいかにして知識フォロー、メンタルフォローしていくかが重要ですが、離職率の高いセンターでは少なからずこれらの状況を放置しているケースが多いようです。
 
・採用面で言うと、新規オープンでも無いのに毎回10人・20人規模で大量に採用しているコールセンターは要注意ですね。これは人の出入りが激しい=離職率が高いセンターの特徴の一つです。また、採用の職制もアルバイトを大量に採用をしている場合も要注意ですね。最近では地域限定正社員など正社員枠で採用するコールセンターも増えてきていますが、大量のアルバイト採用を続けているのは、使い捨て意識が高く現場の教育・管理が今ひとつの可能性が高いです。
 
・そして、離職率の高いコールセンターの最も共通する事項は、教育・メンタルフォローをおろそかにしているコールセンターですね!
前回にも書きましたが、十分な会社説明・業務説明も無いままベルトコンベア式の研修が始まり、一定の研修が終了したら、すぐに現場に投入され右も左もわからない状態なのに、SVは現場を回すので手一杯で新人フォローする余裕も無く、放置されているケースです。このような状況を聞くと今時そんなセンターは少ないのでは・・・と思われるでしょうが、ここ数年の間で私が見てきたコールセンターの半数以上はこのような状況でした。センター長含め・管理者の方々に意見を聞くと「新人フォローもフォロアップ研修、メンタルフォローもやりたいが、現場が忙しくて手が回らない・・」という返答が一番多いです。
 

【離職率が低いコールセンターの共通点】

逆に離職率が低いコールセンターは高いコールセンターの裏返しのような状況です。
①     :テクサポ・課題解決系のセンターでスキル習得・学びの環境がある職場
②     :教育体制・フォロアップ体制が整っている
③     :職場環境が整っている(福利厚生やリフレッシュルームなど)

専門性の高い職場(PCサポート系・損保、生保、証券など資格が必要・業界特化の専門知識系)では、そもそも入社時点である程度のスキル・知識が必要になりますし、モチベーションとして、○○に興味がある、○○のスキル・知識を学んでいきたいなど意欲が高いので、漠然として入社してくる一般相談系コールセンターよりも格段に離職率は低い傾向にあります。
また、このような業種のコールセンターでは新人教育・フォロアップ制度・メンタルフォロー制度もしっかりしているケースが多く、ドロップアウトを最小限に防ぐ努力を怠らずに行っているケースが多いです。
 
福利厚生なども正社員と遜色ない福利厚生(色々な補助制度やリゾートホテルなどにも格安に泊まれる権利など)を提供される事も珍しくありません。リフレッシュルームも癒やしの壁紙やフリードリンクサービス、最近ではマッサージチェアーや専属のマッサージ師を配備しているセンターもあります。
 
まとめると、離職率の高いコールセンターではセンターの管理・運用自体に問題がある場合が多いです。人材育成・教育に力を入れない⇒場当たり対応を繰り返す⇒応対品質が下がる⇒クレームが多発⇒クレーム対応に疲弊して辞める」悪循環です。
一方で離職率が低いコールセンターでは人材を大切にする意識が高いです。教育・育成・メンタルフォローに割く時間が多いので、オペレーター、SVも会社への帰属意識が高まります。ただ単に豪華なリフレッシュルームを構築するのが重要では無く、働くオペレーター・SVへの「おもてなしの心=エンプロイー・エクスペリエンス」の気持ちが大切と思います。
 
2019年03月05日 13:30

Vol.32 コールセンターの離職問題を考える。最初の90日の過ごし方 <その4>

新人離職率
コールセンターの早期離職問題を考えるの“その4”です。
シリーズで「最初の90日をどう乗り切るかが鍵」早期離職してしまう4つのギャップについて前回までに説明してきました。
冒頭のグラフが物語るように、コールセンター白書のアンケートに回答した約50%のコールセンターは新人離職率が30%以上、新人離職率が70%以上と崩壊状態のセンターも全体の20%あるようです。最終回の今回は2019年1月号のコールセンタージャパン誌に掲載されている、離職防止施策の成功企業の例を共有します。
 
まず、私が新卒から10年在籍しましたアメリカンエキスプレスの例ですが、30年前も今もオペレーターを正社員で雇用し続けています。最近特に力を入れているのが、既存社員が知り合いを紹介する「リファーラル採用」です。リファーラル採用は入社後に「期待ギャップ」を感じる事が少なく、離職率が低いようです。紹介した社員に対するインセンティブ支給制度もあるため、一定数の採用に繋がっているようです。最近、他の企業でもリファーラル採用を取り入れる企業は増えてきています。しかし、ポイントは既存社員に知り合いを紹介しよう!というモチベーションが生まれるかどうかにかかっています。当然、既存の会社の制度・福利厚生や働き方に満足してなければ知り合いを紹介する事なんかしません。そこでアメックスでは「パルスサーベイ」という上司や会社に対する意思調査を実施して、リーダーシップやエンゲージメント、権限委譲、eNPS(エンプロイー・ネットプロモーター・スコア)などを聞いて、それらをもとに組織や管理者の課題を抽出して、日々改善活動をしているそうです。こうした一連の取組で「既存社員のモチベーションアップ」⇒「知り合いの紹介」⇒「知り合いの入社」⇒「その知り合いがまた他の知り合いを紹介する」という“定着と採用の好循環”が生まれているそうです。
 
次にこちらも私がコールセンター創世記に構築・マネジメントを行った、東京海上火災ですが、今回は東京海上日動火災コミュニケーションズの例を紹介します。
東京の多摩市に約360名の契約社員が在籍していますが、ほとんどは近隣の主婦層です。2008年のリーマンショックの直後からコスト削減を徹底した結果、2014年当時には離職率が約25%に達し、そのうち半分が入社6ヶ月以内の早期離職だったそうです。その結果、採用コストも例年の2倍上かかったそうです。そこで、経営陣が「長期的には採用コストに投資するよりも、ESや教育に投資した方が好ましい」と人材への投資にかじを切り直したそうです。
・採用時給の引き上げ、・面接官のトレーニング、・研修期間の見直し、・求職者へのビデオによる事前説明の強化などです。
求職者へはまずビデオで業務内容、執務環境などを詳しく説明し、入社後の「期待ギャップ」を発生させない工夫を開始した(ちなみに、冒頭のアメックスでもビデオ動画で同様な内容、従業員のインタビュー動画を求職者全員に事前に見てもらっています。Vol.30でも同様の記事を書いています)ここ最近、直接採用時に通り一遍の面接だけでは無く、きちんとオフィスツアーやビデオ動画でコールセンターの業務内容、環境、制度などしっかりと説明する事が、入社後の「期待ギャップ」を発生させない一つの取組のように思います。
他にも、金融系コールセンター特有の膨大な情報量と専門用語の高いハードルを乗り切るために、研修カリキュラムを見直して「ミニマムスキルの見直しによる負荷軽減」だけではなく、入社1ヶ月時点でアンケートを実施して、期待ギャップや不満の有無などを確認して即座に対応するなどマネジメントの強化に力を入れたそうです。こうした取組により半年以内の早期離職率がピーク時の1/3まで減少したそうです。
 
上記2社の共通項としてあげられるのは、
①     :求職者の面接段階できちんと業務内容や執務環境などを詳しくビデオ動画
   で説明して「期待ギャップ」の発生を最小限に抑えている。
②     :ES調査やeNPS調査などで、入社後すぐの段階の満足度調査を実施し、
   その結果をすぐに改善につなげている
③     :現場のSVやマネージャー以上の上位マネジメント層も一緒になって
   課題解決の取組を実行している点があると思います。

 

「コールセンターの離職問題を考える。最初の90日の過ごし方」については今回で一旦終了です。しかし、早期離職問題は今どこのコールセンターも抱えている共通の課題ですので、他社の成功事例も含めて積極的に打ち手の検討・実施と現場へのヒューマンタッチな関わり方を深めてもらいたいです。
 
今回までのシリーズ4回の内容は2019年1月号の月間コールセンタージャパン誌にて10ページにもわたり特集されていますので、定期購読されている方は是非、読み返すなり・参照していただきたいと思います。
 
2019年02月27日 17:49

Vol.31 コールセンターの離職問題を考える。最初の90日の過ごし方 <その3>

前職調査

コールセンターの離職問題を考えるの“その3”です。

「最初の90日」をどう乗り切るかが鍵!前回は、オペレーターが早期離職してしまう4つのギャップについて説明しました。

その中で書かれていた4つのギャップとは下記のギャップを指しています。

①     :(オペレーター) こんなに覚える事が多いの? こんなに難しいの?

②     :(トレーナー) なんでこんな人を人事は採用したの?

③     :(オペレーター) トレーナーさんみたいに現場のSVは親切に教えてくれない?

④     :(現場SV) こんなレベルで現場に送り出さないでよ!⇒(トレーナー)これ以上は現場でなんとかしてよ!

前回は①の(オペレーター)が思うギャップ、こんなに覚える事があるの? こんなに難しいの?について深掘りしてみました。

 

今回は 上記の②~④のギャップについてコメントします。

冒頭の「コールセンター白紙2018」のデータをご覧下さい。これはコールセンターに働く前の前職調査です。コールセンター経験者は全体の約40%で、約60%はコールセンター未経験者です

前回号の調査のように「高い時給」や「ちょっと興味があって・・」という事で応募してきています。バックボーンは様々なので、そもそも「コールセンターとはどんなお仕事でどんな特殊性があるのか?」をきちんと啓蒙する必要がありますが、まずは詰め込み型の研修をされるのが実情のようです。トレーナーは現場経験豊富なSV出身者がなるケースが多いと思いますが、現場経験が豊富なだけにバックボーンが様々な候補者に対する理解が必要になります。一律の教育というものが基本になりますが、研修スケジュールにはあらかじめ余裕を持った計画を立てる必要があります。途中で遅れている研修生がキャッチアップできる時間や仕組みを用意する必要があります。毎日の研修の最初に前日の振り返り・終了前に本日の振り返り時間を30分でも設けるとか、研修の節目節目での確認テストの実施をするとかなり理解度も深まると思います。どうしても繁忙期中に入社した研修生は一日も早く現場デビューが義務付けられるので、逆に通常の研修よりも時間を削って・スピードUPした研修を受けることがありますが、これはかえって逆効果で結局、現場デビュー後の早期離職に繋がってしまいます。

 

また、比較的研修中はトレーナーが親切・丁寧に教えてくれますが、現場デビュー後は空気が一変して、「これ!習ったよね!」とか「同じ事二度聞かないで!」とか現場のSVはなかなか厳しいです。常に緊張状態の現場では「褒める!」という要素が不足しているケースが多いです。

管理職研修などで教えるテーマですが、「イソロク指導」という言葉をご存じでしょうか?

連合艦隊司令長官の山本五十六の名言ですね!

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」

時代は変わっても根本は同じです。やはり「人は褒めて育てる」という事が重要ですが、段々とそれが薄らいでいるように思います。現在のコールセンターを取り巻く環境は新人離職率が50%以上というセンターも少なくない時代。過度に腫れ物に触るように接する必要はありませんが、初期研修~OJT~現場デビューまでの一連のプロセスの中で「褒める」という要素を取り入れ、「モチベーション・マネジメント」をする事が重要です。

 

大手アウトソーサーのベルシステム24では「専門のトレーニングセンター」を設置して、そこで①:コールセンター基礎研修、②:模擬電話訓練、③:敬語の使い方、④:顧客対応研修、⑤:PCタイピング、⑥:実践ロールプレイングなど約80時間のカリキュラムを受講して晴れて現場デビューするそうです。この80時間の研修中も正式採用前ですがきちんと給与は支給されます。

 

最後になりますが、冒頭の4つのギャップについては各コールセンターでの意識改革と創意工夫で如何様にもギャップを小さくできると思います。

採用難・離職悪化の今だからこそ、初期研修~OJT~現場デビュー後フォローの意識改革・プロセス改善が必要だと思います

2019年02月21日 15:39

Vol.30 コールセンターの離職問題を考える。最初の90日の過ごし方 <その2>

白書セミナー20181004_投影資料

コールセンターの離職問題を考えるの“その2”です。

まず採用の前の段階ですが冒頭のグラフにコールセンターで働き始めたきっかけについてのアンケートデータを付けています。

昨年の「コールセンター白書2018」にあるデータの一部ですが、やはりアルバイト・派遣層では「時給(給与)」が良いというのが結構高いですね。(こちらのブログのVol.23のデータ・記事をご参照下さい)2014年を境にして、年々コールセンターの時給はうなぎ上りです。時給だけ見たら魅力的な仕事に写ると思います。また、コールセンターの仕事に興味がある・おもしろそうという割合も予想外に高いようです。雇用属性にもよって、コールセンターで働く理由・目的なども変わってきますので、雇用属性に合ったマネジメント・運用ができているかもチェックポイントの一つと思います。

 

さて、本題ですが「最初の90日」をどう乗り切るかが鍵!と本年1月号のコールセンタージャパン誌で特集されています。「早期離職を招く4つのギャップの正体と対策」、「先進企業の取り組み事例」など10ページに渡って特集記事が書かれていますので、是非定期購読されている方は、熟読または読み返してもらいたいです。非常に参考になる記事になっています。

 

その中で書かれていた4つのギャップとは下記のギャップを指しています。

①     :(オペレーター) こんなに覚える事が多いの? こんなに難しいの?

②     :(トレーナー) なんでこんな人を人事は採用したの?

③     :(オペレーター) トレーナーさんみたいに現場のSVは親切に教えてくれない?

④     :(現場SV) こんなレベルで現場に送り出さないでよ!⇒(トレーナー)これ以上は現場でなんとかしてよ!

今回は①の(オペレーター)が思うギャップ、こんなに覚える事があるの? こんなに難しいの? について深掘ります。

 

採用が厳しい昨今では集客力をUPするために、「誰でもできる仕事です!」、「簡単なお仕事です!」という募集広告が踊っていますが、もはやこのフレーズはNGワードである!と、コールセンタージャパン誌でも断言しています。

私はWindows95が発売された1995年のパソコン・インターネットが普及する昭和の時代からコールセンター業界に携わってきていますが、その時代と比べれば圧倒的に情報量が増えていますし、とにかく今の時代は簡単な一問一答形式の質問はFAQやネット検索で解決してしまうので、今の問い合わせ内容は高度かつ複雑な問い合わせが多い。ましてや、言葉使いへの意識も相当大変です。コールセンターも全通話録音していますが、お客様も簡単に通話を録音できるので、ちょっとした言葉の行き違いが炎上のきっかけになったり、XXハラスメントなどのクレームの訴えに繋がる可能性も秘めています。「誰でもできる簡単な仕事!」とい言うには無理があると思います。

 

そのため、アルバイトや派遣社員をオペレーターとして雇用する場合でも、しっかりと、業務内容の提示・求められるスキルの提示・給与条件など、正社員を採用する時のような意識で採用する事が求められています。

昨年訪問した某コールセンターでの取り組み事例が参考になるので少し紹介をします。

そこのコールセンターではオペレーター採用の際、以前はアルバイト・契約社員であれば簡単な面接だけで合否を決めていたそうです。しかし新人離職率が高いという課題に対して、「会社の事・コールセンターの事をもっと知ってもらおう!」という事で、採用時の面接の前に1時間以上をかけてコールセンターの職場見学(業務内容・大変さ・楽しさの共有)・会社の事業説明・理念や大切にしている事をしっかりと伝えたそうです。その上で仕事や会社に共感を持てない方にはお帰りいただいたそうです(実際に何人かはその説明後に面接を受けずに帰ったそうです)、その説明を聞いて帰られる方は遅かれ早蹴れ早期離職する予備軍であったと思いますので、そのコールセンターでは採用の入り口の段階で共感や理解を得られない方を見極められたので効果があったと言っていました。

 

①番のギャップ(こんなに覚える事が多いの?難しいの?)に対して、皆さんのコールセンターではどんな打ち手を実施していますでしょうか? 「誰でもできる簡単な仕事!」の誘い文句での募集広告をしているようであれば、見直しの機会かもしれません。

2019年02月04日 18:42

Vol.29 コールセンターの離職問題を考える。最初の90日の過ごし方 <その1>

離職率の考察

2019年 新年1回目の投稿になります。(年始に仕事用パソコンが壊れ、初期化でも直らず、業者預けになり2週間以上かかりやっと復活しました。データ復旧費・その他修理費で新しいPCを1台買えるぐらいの出費に!新年早々、痛い思いをしました。)

 

さて、新年初回のブログですが、やはりこのテーマから始めたいと思います。コールセンターの離職問題です。コールセンターの専門誌を発刊しているリックテレコム社の「月刊コールセンタージャパン」の2019年1月号でも特集記事は「早期離職を防ぐ!最初の90日の乗り越え方」になっています。

冒頭のテキストをご覧下さい。私がコールセンターへのアセスメント調査報告の際に説明する資料の1枚です。コールセンタージャパン誌同様に現場デビュー後90日の重要性を説いています。初期研修途中に離脱する方もいますが、多くの場合は「研修終了して着座後の90日の間で辞めていくケース」が多いというのが大体共通する状況だと思います。2019年1月号のコールセンタージャパン誌によると、コールセンター実態調査の「回答企業の22%が離職率71%以上」と回答しています。その年に採用した人材の30%も年末には残っていないという状況のようです。更に実態調査や取材で深堀ると「概ね90日以内での離職が大半であり、OJTから一定期間を経過したオペレーターは簡単に辞めない」と書かれています。この「最初の90日」をどう乗り切るかが大きなセンター運営の鍵がある事は間違いないようである。1月号のコールセンタージャパン誌では、「早期離職を招く4つのギャップの正体と対策」、「先進企業の取り組み事例」など10ページに渡って特集記事が書かれていますので、是非定期購読されている方は、熟読または読み返してもらいたいです。非常に参考になる記事になっています。

 

今回は、研修終了して着座後90日の前段階である採用フェーズに少しフォーカスしたいと思います。以前に書いたことがありますが「コールセンターの仕事は簡単です。誰でもできます。」というキャッチフレーズで採用をしていませんか?!果たして、コールセンターのオペレーターは誰にでもできる、簡単なお仕事なのでしょうか?

実際にコールセンター現場で電話を取った経験・アウトバウンドで架電した経験のある方はわかると思いますが、一定の専門知識を生かして、毎日・毎日何十人の方(若い方も高齢者の方もいて、クセのある人・気難しい方など多種多様)とのコミュニケーションを行う事は、誰にもできるという程、簡単では無いと思います。特にコミュニケーション能力というのは、持って生まれた個性もあるので、人と話すのが上手な方もいれば、知識を覚えるのは得意でもその内容を人に伝える能力が劣る方もいます。でも実際にはコミュニケーション能力が苦手と思っている人でも、「誰でもできる!」とハードルを下げた広告募集と少し高めの時給・給与に目がとまり、採用から教育そして着座して電話を取る・掛けるというベルトコンベアの流れに乗ってしまっています。結果的に、自分には合わない・苦痛であるという理由から早期離職に繋がるケースも少なくないと思います。
 

直接雇用の場合は、面接というフィルターを通してこのコミュニケーション能力を推し量る事もできますが、派遣社員の場合は、人材要件は伝えるものの、来て見ないと分からない事になりますので、そこは出たとこ勝負の状況です。現実的には、十分な採用の母集団が無いので、ハードル下げて採用せざるを得ないというお家事情もあるかと思いますが、採用におけるミスマッチを少しでも減らせる工夫はトライし続けなければならない時代だと思います。

 

次回以降は、冒頭のテキストの「研修プロセス」、コールセンタージャパン誌でも書かれている「採用側と応募者側のギャップ」について書いていきます。

2019年01月22日 18:20

Vol.28 コールセンター白書2018から見るコールセンターの今! <最終回>

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今回でシリーズ6回目になりますが、「コールセンター白書2018」の考察は一旦今回で一区切りとします。まず、考察シリーズ<その1>で紹介した興味深いデータをもう一度冒頭のグラフで紹介したいと思います。

これは、5年前の2013年と今年2018年の「コールセンター運営上の課題は何か!」というデータを比べてみたものです。そして、この5年間で特に大きな変化を占めている3つの項目に着目して紹介しました。まず、「オペレーターの採用・育成」に対する課題認識は、5年前の23.6%から今年は57.3%と実に2倍以上になってます。同じように、「スーパーバイザーの採用・育成」についても、5年前の32%から、今年は55.2%と、やはり課題認識が2倍近くになっています

また、「オペレーターの定着率向上」についても、5年前の17.8%から、今年は37.1%と、やはり2倍以上の課題認識になっています。

いづれも、昨今の多くのコールセンター管理者の悩みの種になっている「採用難」・「離職の悪化」を反映している結果だと思います。

長年に渡り、トップに君臨していた「品目向上」を追いやり、「オペレーター・SV」の採用難・育成難がワン・ツー状態になっています。

 

今年最後のブログになりますので、上記を踏まえ来年2019年の未来予想を少しだけしてみます。

●     チャットボットやFAQシステム、音声認識システムの導入が一層現場では進んでいくと思います。そして、導入して6ヶ月ぐらい過ぎると、「どうも上手く効果が上がっていない?」、「最新システムを導入したのは良いが、運用が最適化されていない?」という事に気づく年になるのではないでしょうか? そこで、着目されるのが「ナレッジマネジメント」、「業務設計・プロジェクトマネジメント」というテーマが改めて見直されるような気がします。導入ありきで最新システムを導入するコールセンターが多いのも実情です。きちんと「ナレッジマネジメントやプロジェクトマネジメントのPDCAを回す」という基本部分が欠落している場合が多いですので、この分野が改めて見直される年になるような気がします。

 

●もう一つは、今年2018年は「改正派遣法・改正労働契約法」のダブル改正があって、今後雇用の有期から無期雇用への流れが進んでいくと思います。そうなると、一層重要になっていくのが、「人材教育・育成」になるでしょう。最近ではやっと「AI導入=コールセンターの無人化」という過大妄想が少しづつ払拭されてきているように感じます。

某大手銀行さんのAI:ワトソンを導入した一番の効果は、処理時間の短縮でも・費用対効果でも無く、新人オペレーターの離職率の改善・満足度UPという講演が印象的でした。

AIという最新システムでもたらせた効果として、新人オペレーターの定着率UP・ストレスの軽減という知識支援によるメンタルな部分に効果を発揮したというのも面白い結果です。

 

2019年では、如何にして「辞めないコールセンターを創るのか!」、「どのようにして働くオペレーター、SVの満足度をUPさせていくか!」という点に焦点が一層あたると思います。

そういう意味では、コールセンターの人材教育・育成体系・運用の見直し・整備に焦点があたる年になると思います。

 

今後改善の目途が立たない「採用難」について、コールセンター管理者が真剣に考えていくのは、「採用が厳しいなら・辞めないコールセンターにしよう!」ということだとおもいます。

 

今年2018年も「さつき先生のコールセンターのちょっといい話」をご愛読いただきありがとうございます。来年も、現場の皆さんが「ちょと役に立つなぁ!」と思えるテーマで掲載を続けていきますので、宜しくお願いします。

 

⇒ コールセンター白書2018の内容に興味がある・購買希望の方は下記を参照して下さい。

ここをクリック

2018年12月23日 12:18

Vol.27 【デモ動画付き!】「LINEコネクト・電話とLINEの融合の今!」

2LINEコネクト

前回に続きCRMデモ&カンファレンスin東京などで紹介されたお勧めシステムの紹介をします。

CRMデモカンでもトレンドは「AI」、「チャットボット」、「音声認識」、「FAQ」に関する最新のシステムの紹介が目立ったと書きましたが、その中でも「LINEと電話の融合」には目を見張るものがありました。今回は、将来に向けたLINEコミュニケーション・LINEと電話の融合の今について、少しだけ体感してもらいたいと思います。

既に説明するまでも無い「LINE」ですが、日本国内利用者7600万人以上(日本人口の63%以上)、毎日使うアクティブ率:85%と、今や、電話を掛けない日はありますが、「LINE」でコミュニケーションしない日は無いぐらい、国民に浸透していますよね!利用者数7600万人には赤ちゃんや超高齢者はほとんど含まれませんので、20代から労働生産年齢で見ると、その利用率・アクティブ率は限りなく100%に近い、まさに通信のインフラ化していると言っても過言では無いと思います。

 

AVAYA LINE CONECT「LINE TO CALL」,「CALL TO LINE」のブースとオラクル連動のデモでしたが、実際にデモ映像を見ると「LINEと電話の融合」も、ここまで進化しているの!と驚きを隠せません。

言葉で説明するより、デモ動画を見てもらった方がわかりやすいので、下記の2つのデモ動画をまずご覧ください。(音声で案内されますので、職場でご覧になる際は気をつけて下さい)

https://www.youtube.com/watch?v=Y-7CaKz20to

https://www.youtube.com/watch?v=KqY86_aqx98

 

一般電話からコールセンターに電話が来ても、LINEへの誘導が簡単にできてしまいます。お友達登録無くとも、電話が来た段階でお友達登録を促し「承諾されれば」、LINEとのコミュニケーションに誘導が簡単にできます。またLINEに誘導できたら、一般の固定電話・携帯電話ではできなかった事、コスト削減が簡単にできてしまう、まさに夢のような世界です。

例えば、銀行や飲食店など支店・店舗の場所を知りたいと電話すると、通常の電話では、住所を教えてくれる。最寄り駅からの行き方をナビゲートしてくれる。HPのFAQにありますのでそちらを見てください!いう感じだと思いますが、LINEでは、デモ動画のように数秒で店舗の場所の地図情報がLINEに送られてきて、画面をクリックするだけで、行きたい場所の地図アプリが立ち上がる。必要な情報はリンクで簡単に送信されるので、クリック一つで情報を入手する事が可能です。

 

そして何といっても、これらの通話料金全てが無料なのです!

03-、0570-の番号であればお客様が電話料金を負担する必要がありますし、フリーダイヤルであれば企業側が通話料金を負担する必要がありますが、LINE電話は双方が無料なのです。

(ただし、企業側はLINEを使うためのライセンス料金は支払う必要があります)

これももう、画期的なサービスです。企業側も使い方次第で大幅に通信コストを削減する事ができます。

 

コールセンターとお客様がLINEで繋がれば、いちいち電話をかけた後にパソコン、スマホで検索する事なく必要な情報が数秒で入手でき簡単で見やすい。そして、その情報はパソコン、スマホの履歴に残りますので、いつでも好きなときに読み返す事ができます。LINE コミュニケーションの世界、日ごろ、友達・家族としか使っていなかったLINEですが、お客様対応のコールセンターにおいて将来の無限の可能性を感じさせるそんな衝撃を受けました。

 

皆さんのコールセンターでもチャット対応の次はLINE連携を検討したらどうでしょうか。

2018年12月17日 16:01

Vol.26 「CRMデモ&カン」のお勧めシステム “音声認識&要約力&AI”

TRAINA要約システム

ちょっと「コールセンター白書2018」の考察を一休みして、11月に開催されましたCRMデモ&カンファレンスin東京からのお勧めシステムの紹介を今回してみます。

今年のCRMデモカンでもトレンドは「AI」、「チャットボット」、「音声認識」、「FAQ」に関する最新のシステムを各社で紹介されていました

そんな中でちょっと私がこれは!と目を引いたシステムがありましたので紹介したいと思います。「TRAINA VOICEダイジェスト」という野村総合研究所(NRI)のシステムです。

簡単に言うと、オペレーターがお客様と会話している内容を、音声認識+AI技術で自動でテキスト化して、本来「後処理」で履歴入力する作業を自動的にテキスト化=要約してくれるシステムです。後処理時間の短縮に大いに貢献してくれるシステムです。

NRIの人工知能(AI)と自然言語処理技術(NLP)を組み合わせて対話を要約していきます。

要約レベルも事前に設定が可能です。全文テキスト化の100%とか簡易要約20%とか設定できるので、詳細に残したい場合には%を上げて、簡易版の履歴で良ければ%を下げて調整するなどが可能です。

ご興味のある方は下記を参照して下さい!

https://www.traina.ai/solution/voicedigest/

 

過去のブログでもAHTの削減効果のシミュレーションについては説明しましたが、例えば月間:10万件のコールを処理しているコールセンターがあるとすると年間で約120万件のコールを処理する事になります。今年度のAHTの平均が10分30秒の場合、翌年の平均AHTを30秒短縮するだけで約1000万円のコスト削減効果になる計算を説明しました。

これが2分・3分と短縮されていけば、数千万・1億円を超えるコスト効果をもたらしてくれます。

 

ここ数年はどこのコールセンターでも製品・サービスの多機能化、携帯電話なども料金形態の複雑化など、年々AHTは増加傾向ではないでしょうか? 更に、採用の悪化、離職の増加で新人割合が増えれば更にAHTの悪化に拍車をかけてしまいます。(特に今のスマホ世代の若者はキーボード操作に慣れていないので、ベテランに比べて圧倒的に後処理のキーボード入力が苦手です)

このNRIの「TRAINA VOICEダイジェスト」は、まさにそんなAHTの長時間化傾向を解消する上では最適なシステムでは無いでしょうか? 以前から「Voice to Text」というツールで音声を文章化するシステム・ツールなどありましたが、AI技術も取り入れ・自然言語処理技術も向上し、音声認識率も格段に向上してきていますので、これはかなり使えるシステムだと思います。

 

ただし、当然ながらシステムの初期投資や毎年のメンテナンス費用、最適なテキストにしていくためのナレッジの精査など運用面でも結構なコストがかかってきます。

そのため数十席規模のコールセンターには費用対効果としてはどうか?という点はありますが、100席、200席の大規模コールセンターではかなり費用対効果は出るのではないでしょうか。

NRIのこのシステムを実際に導入した某金融A社(300席)はこのシステム導入でAHTの後処理時間を50%短縮した事で、人件費換算で約1.8億円ものコスト削減を実現したそうです。

 

ここ数年の傾向として、現場の運用努力だけでAHTを短縮化しているコールセンターは数少ないと思います。先ほども説明したように製品・サービスの多機能化・高度化、顧客の高齢化、離職の悪化による新人割合の増加などAHTの上昇要因は沢山ありますので、特に大規模コールセンターにおいてはこんなシステムの検討も有効化と思います。

2018年12月07日 10:49

Vol.25 コールセンター白書2018から見るコールセンターの今! <その5>

導入予定のITソリューション

今月11月中旬に池袋のサンシャインシティにて「CRMデモ&カンファレンスin東京」が開催されました。今年も大盛況で、過去最高の来場者数になるのではと言われるぐらい大混雑してました。今年の主要なテーマも昨年に引き続き「CX=カスタマーエクスペリエンスの実践」、「コンタクトセンターのAI」、「最新ITソリューションを活用した業務効率化」の講演・セミナーが花盛りでした。また、各ITベンダーが出店しているブースも昨年に引き続き、キーワードは「AI」、「チャットボット」、「音声認識」に関する最新システム紹介が目立ちました。FAQシステムでも「AI型FAQシステム」とかIVR/スキルルーティングも「AI型ソリューション」として紹介されていて、なんでも「AI」の枕詞がついている感じも否めません。

 

では、冒頭のグラフをご覧下さい。各コンタクトセンターの「今後導入予定のITソリューション」に関して、各社の状況を「コールセンター白書2018」のデータから見てみます。

 

やはり、一番目を引くのは、導入予定としての「チャット対応システム:24.6%」、「チャットボット:25.4%」の高さですね! もう一つ導入意欲の高いシステムは「音声認識システム:25%」になっています。いずれもAI関連ソリューションと位置づけられ、音声認識システムは、認識精度の向上とクラウド化による導入価格の低下が導入意欲を高めている背景があると考えられます。その用途としても、IVRとの組み合わせの音声認識IVR、音声データのテキスト化・要約化、リアルタイムの会話を音声認識し該当するFAQを自動でポップアップするなど、多様な活用方法があります。逆に一時期ブームであった「メール対応専用システム」などはある程度企業内での導入が完了した事もあり、今後の導入予定は低いようです。またWFMシステム(過去・未来のコールトレンド分析から最適人員配置するシステム)は日本では中々根付かないシステムのようです。

 

「コールセンター白書2018」の考察でずっとコメントをしてきた、採用難・離職増加を背景として人手不足が深刻化していますので、将来に向けてコールセンターの生産性向上と有人オペレーターからの脱却というのは、どこの企業でも至上命題とされている事がうかがい知れる結果です。

それに加えて、顧客が利用するコミュニケーション手段も従来の電話・メールだけに留まらず、チャット、LINEが日常のコミュニケーション ツールとして活用されてきており、多様化もどんどん進んでいる事が伺える結果です。

「AI」と「チャット」を組み合わせたようなシステム「チャットボット」は、今最もITベンダーが力を入れて広告・宣伝しており、今年はコールセンター業界において「チャットボット」が一気にブレイクした感じです。

 

昨今は電話で話をしたくない層というのも年々増加しているそうです。

現代人のトレンドはまず、わからない事があれば、インターネットでの検索やその会社のHPのFAQで調べる。それでも分からなければ、急ぎの案件で無ければメールで問い合わせをする。

どうしても、わらかない、急を要する場合に初めて電話という手段を取ると思われます。有人チャットにしてもチャットボットにしても、電話で会話する事無く、コミュニケーションが進行するチャネルは今後の時代のトレンドにもマッチするかもしれません。

 

最後にシステム導入の際に、「AIシステム」を導入したい、「チャットボット」を導入したいと、想いばかり先行しがちですが、最も重要な点は「業務設計力」です。

しっかりと、自社の課題と将来像を見据えて、どのシステムをどのようなタイミングでどう設計していくか、「業務設計力」が問われる事を忘れないでもらいたいです。

 

⇒ コールセンター白書2018の内容に興味がある・購買希望の方は下記を参照して下さい。

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2018年11月29日 14:11

Vol.24 コールセンター白書2018から見るコールセンターの今! <その4>

労働契約法・派遣法改正

前回は、過去10年の時給調査データやエリア別の時給動向について書きましたが、今回はその時給動向にも大きな影響を及ぼしている、「人事における2018年問題」について書いています。

今さら言うまでも無いですが、今年改正された2つの法改正について簡単に概略を書いておきます。

⚫ 改正労働契約法・・・2018年4月から「有期労働契約が5年を超える場合、有期契約労働者による申し出があれば無期契約に転換しなければならない」という内容です。

 

⚫ 改正派遣法・・・2018年9月から「派遣可能期間は原則3年以内」というルールが、従来は派遣法で規定された26業務は対象外とされたが、この改正では全業種に適用される。

派遣期間が3年を超える場合、派遣会社は具体的な雇用安定措置を講じる必要がある。例えば、①:派遣先への直接雇用の依頼や②:派遣元事業主での無期雇用などの措置である

 

冒頭の各社のアンケート結果をご覧下さい。「希望者は全員、無期契約社員にした」が35%と最も多くなっています。当初懸念されていた、「一時的に契約を打ち切り、半年以上経過した後に再契約する」という「法の抜け道」をしたという回答は1社もなかったようです。一方で24%を占めた「その他」は「5年間勤務している該当者がいない」という回答が最も多く、既に対象者が正社員SVに昇格しているか、5年を経たずに全員が離職しているかになるので、コールセンターの高い離職率の現場を象徴するような結果にもなっているようです。

 

改正派遣法については「全て派遣会社に無期雇用してもらう予定」が36%、「希望するスタッフは全て自社の直接雇用する予定」が34%と全体の70%の会社は、改正派遣法に沿った対応を検討・実施しているようです。労働契約法も改正派遣法も政府の方針として「有期労働者を減らし・安定的な雇用を確保する」という名目で実施されましたので、今回の調査結果を見る限りは、多くのコールセンターで適切に対応が実施されている様子がうかがえます。ただし、ちょっと気になるのがいづれの改正に対して、今年になっても20%以上(4社に1社)がその他(対象者がいない・未定・・・)という状況ですので、現場の管理者は何をしているのか?何を思っているのか?も気になります。

 

次の着目点は政府が目指している「同一労働同一賃金」で、無期化されたとは言え正社員待遇では無いスタッフと既存の正社員との賃金格差をどうしていくのか?が注目されています。

数年前からオペレーターやSVの離職対策・地位向上・待遇改善を目的に、有期雇用社員から地域限定正社員化してくる潮流はあったが、今回の労働契約法と派遣法の改正でこの流れがどんどん加速していく事は間違いありません。長らく、コールセンターのオペレーター、SVの待遇が改善されずに離職の温床になっていた部分もあるので、現場で働くコールセンター社員にとっては良い改正であるが、経営サイドとしては賃金の増加や福利厚生費の増加で頭の痛い問題かもしれません。

そういう意味では今後一層コールセンターの位置づけの再認識や活用法、経営の舵取りが重要になってくる時代だと思います。

 

今回の法改正に対する各社の対応状況なども下記の「コールセンター白書2018」で詳しくデータに基づき書かれています。

 

⇒ コールセンター白書2018の内容に興味がある・購買希望の方は下記を参照して下さい。

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2018年11月12日 11:07
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