Vol.59 コールセンター白書2019の考察~最終回~
昨年11月から不定期に書いてきました、「コールセンター白書2019」の考察ですが、今回で最終回です。今回は改めて「コールセンター白書」の中身についてご紹介させていただきます。「コールセンター白書」は2003年に刊行を開始して今回で17年目になります。基本は全国の実際に運営しているコールセンターからの生の声・アンケートの集計結果のレポートになります。昨年発刊の「コールセンター白書2019」では220社の運営企業からの回答をベースに集計・レポートがまとめられています。ただ、全国のコールセンターからのアンケート結果の集計のみならず、「月刊コールセンタージャパン」の編集部の皆さんが日々のコールセンター訪問や業界研究を通して得られた知見・将来予見・運用Know-howも沢山盛り込まれていますので、自社センターの課題で悩んでいる管理者にとっても解決のヒントや有益な情報が沢山盛り込まれています。
私は仕事柄、毎年「コールセンター白書」は熟読して最近の時代のトレンド(AI・CX・チャットボットなど)や自治体のコールセンター誘致状況や地方自治体のコールセンター支援制度・助成金制度など業界動向を勉強してますが、大変参考になる1冊です。
第一章では「コールセンターを取り巻く環境とマネジメント課題」がまとめられています。
平成から令和への変化と課題、IT市場の動向など。AIも過度な期待先行型から目的ある導入フェーズに来ている状況など、今後AIソリューションの導入を検討している企業には参考になる情報満載です。他にはコールセンターの採用時の時給/月給調査、SV,リーダー層の意識調査などがまとめられています。
第二章では、「国内コールセンターの実態」がまとめられています。
労働法改正への対応や離職率/離職予防施策のパートは特に自社の状況と他社の状況を比較・検証する上では参考になるデータと考察が書かれています。
第三章では、「コールセンター利用者調査」がまとめられています。
一般消費者のコールセンター(電話)体験を探り、センターの運営課題を抽出する目的でまとめられています。通信販売、携帯キャリア、生命保険、損害保険、銀行、メーカーのお客様相談室のコールセンターに対し、問い合せをした消費者の属性や印象、満足度とNPSの関係性などがまとめられています。
第四章では、「コールセンター/CRMアウトソーシング市場検証」、第五章では、「全国自治体のコールセンター誘致・進出状況調査」がまとめられています。
現在アウトソーサーを利用している、今後利用したいと検討している企業にとっても参考になる情報です。また、今後、コールセンターの地方移転や新たに地方進出を検討する上では、この1冊で全ての地方自治体のコールセンター支援制度・助成金制度の詳細がまとめられていますので、大変参考になります。
このように、コールセンター運営に関する情報が満載ですので、ある程度の規模のコールセンターでは“一家に一台”感覚で、備えていた方が良いと思います。