コールセンターの課題解決の相談は
さつきソリューションへ

長年の経験と知識を基に、現場・経営両サイドで抱える悩みを解決いたします。

HOMEブログ ≫ さつき先生ブログ ≫

今日から役立つ!
コールセンターのちょっといい話

Vol.23 コールセンター白書2018から見るコールセンターの今! <その3>

採用時時給2

引き続きリックテレコム社から発刊されている「コールセンター白書2018」からの考察を独自視点も入れてコメントしていきます。

前回まで「採用が厳しいなら・辞めないコールセンターにしよう!」というテーマで書きましたが、今回は、採用難が叫ばれている昨今ですが、「現在のコールセンター採用時の時給相場・状況がどうなっているか!」をコールセンター白書のデータから見ていきます。

 

冒頭のグラフを見て下さい。コールセンタージャパン編集部の独自調査ですが、過去10年を見ても平均時給は4年連続で上昇し、今年は1262円になっています。電話受付の需要はあるけど、「単純労働でキャリアップにつながらない」、「クレーム対応が多くてストレスが多い」と敬遠しがちな状況を背景に、企業側が採用時の時給を引き上げざるを得ない状況が続いています。

エリア別に見ると、特に上昇傾向の強いのは関東エリアと沖縄県。沖縄県は調査以来初めて平均時給が1000円を超え、最低賃金も800円台に突入したようです。

主要なコールセンター集積地で見ると、札幌市と福岡市が平均時給が下がり、仙台市・那覇市は上昇になっています。札幌市と福岡市の平均時給が下がった背景は、昨年まで時給の高い案件の会社で正社員化が進み、比較的安い募集案件での母数平均になった事が背景にあるようです。

今後は仙台市・那覇市を含め、全国でオペレーター・SVの正社員化が進み、同様の傾向が表れると予想されています。

 

今の採用難は、一時的・局地的な現象では無く永続的で全国規模で起きている現象であり、時給を多少上げたところで十分な人材確保ができるエリアはもはや無い状況のようです。

一部のテレマーケティング・アウトソーサーでは地方での時給高騰もあり、人件費がそれほど変らないのであれば、地方で苦労して人集めするよりも首都圏で豊富で優秀な人材を採用した方が良いと首都圏回帰現象があるようです。実際に、知り合いの会社も地方拠点の拡大路線を止め、最低限の一定数の規模に留めて、今後の拡大は首都圏で行う方針に転換したそうです。

コールセンターの性質として、受付拠点のBCP対応の観点もありますので、地方拠点を締めて、首都圏のみに一極集中するとなるとそれはそれで問題だと思います。

 

2000年代初め頃から地方進出が相次ぎましたが、当時の目的は「人件費の削減」が第一だったと思います。しかし、今の状況下では、単純に人件費の削減を目的に地方拠点をどんどん拡大していくには厳しい状況です。

更に、今年は「改正労働契約法」と「改正労働者派遣法」が実施され、コールセンターにおいても今後は有期雇用から正社員化の流れが加速しますので、企業もコールセンターを「人件費の削減目的に地方拠点を構築する」事から、戦略の見直しが迫られてくると思います。

 

今回の考察コメントは「コールセンター白書2018」から多くの引用をしていますが、「コールセンター白書2018」には冒頭のデータ以外にもエリア毎、業種毎の豊富な調査データがありますので、今後の採用戦略・拠点戦略を見直す意味でも大変参考になります。

 

⇒ コールセンター白書2018の内容に興味がある・購買希望の方は下記を参照して下さい。

ここをクリック

2018年11月01日 18:24

Vol.22 コールセンター白書2018から見るコールセンターの今! <その2>

辞めさせない施策一覧

前回に続きリックテレコム社から発刊されている「コールセンター白書2018」からの考察を独自視点も入れてコメントしていきます。

前回は5年前の2013年と今年2018年の「コールセンター運営上の課題は何か!」というデータを比較し、「品質向上」から今のコールセンター管理者の課題が「採用難」、「離職悪化」に推移している状況を説明しました。

今回は、今後改善の目途が立たない「採用難」について、「採用が厳しいなら・辞めないコールセンターにしよう!」ということについて、各社はどんな離職防止施策をしているのかを取り上げたいと思います。

 

冒頭のグラフをご覧下さい。離職予防施策として「実施した」の最も多いのが「表彰制度」で44%を占めてます。大手金融機関ではグループ全体でオペレーターの応対コンテストを実施している事例も多くありますが、モチベーションアップ施策としては最も実施しやすい施策と捉えているようです。応対品質以外でも、皆勤賞・模範となる処理効率精度・効果的な改善施策提案などを表彰するコールセンターも多いと思いますので、「表彰制度」は手軽に実施でき、かつ効果が見込める施策と思います。ただ気をつけたいのは「表彰制度のマンネリ化」です。何年も同じ概要で実施を続けていると、受賞者はいつも同じ社員だったり・目新しさが無くなり現場でのマンネリ化を招く恐れもありますので、定期的なブラッシュアップは必要と思います。

 

次に多いのが「研修など人材教育プログラムを充実させた」が35.3%、「業務に対する評価とフィードバックを強化した」が31%と人材教育を離職予防としている傾向は強いようです。

これも、コールセンターのオペレーターではキャリア形成にならない、やっつけ仕事のように思われているので、研修・人材教育は重要なキーワードだと思います。ある調査機関の結果ですが、その会社で仕事を続けるモチベーションとして、当然「給与水準」というのは大きな要素ですが、結構高い割合だったのが「その職場が学べる環境にあるかどうか」という結果もあるようです。

しっかりと学べる環境を整えるのも、今後のコールセンター運営の勘所だと思います。

 

しかしながら、何から手を付けていいかわからないセンターや、今回の離職予防施策のほとんどをやっているが、あまり効果が上がらないと悩んでいるセンターも少なくないと思います。

コールセンターは肉体的負荷よりも、精神的負荷の高い仕事です。もしかすると目に見える施策そのものよりも、目に見えないけどメンタルケアに向けた「面談・フィードバック・コミュニティ作り・癒やしの空間」などが離職予防の特効薬になる場合もあります。何がそのセンターにとって一番有効な離職対策なのかは、置かれている環境や状況によって違います。

 

まずは、社員の声を聞くという意味では「従業員満足度調査:ES調査」が一番の近道だと思います。不満ばかりしか声が上がらないと思われがちですが、やはりそこは「社員の生の声」ですので、この声に真摯に向き合う姿勢から始めるのが王道と思います。

 

⇒ コールセンター白書2018の内容に興味がある・購買希望の方は下記を参照して下さい。

ここをクリック

2018年10月23日 10:30

Vol.21 コールセンター白書2018から見るコールセンターの今! <その1>

スライド1

この10月にリックテレコム社から、「コールセンター白書2018」が発売されました。昨年もこの白書データの私なりの考察を「さつき先生ブログ」の中でシリーズでお伝えしました。

https://jbmhrd.co.jp/blog/archive/ac_satuki  (Vol.31~Vol.36)

今年も様々なデータから見えるコールセンターの今!や色々な課題に悩んでいるセンター管理者にとっての有益な情報を、シリーズで独自考察も交えてお伝えしていきます。

 

初回の今回は非常に興味深いデータを紹介します。冒頭のグラフをご覧ください。

これは5年前の2013年と今年2018年の「コールセンター運営上の課題は何か!」というデータを比べてみたものです。そして、この5年間で特に大きな変化を占めている3つの項目に着目して紹介します。

まず、「オペレーターの採用・育成」に対する課題認識は、5年前の23.6%から今年は57.3%と実に2倍以上になってます同じように、「スーパーバイザーの採用・育成」についても、5年前の32%から、今年は55.2%と、やはり課題認識が2倍近くになっています

また、「オペレーターの定着率向上」についても、5年前の17.8%から、今年は37.1%と、やはり2倍以上の課題認識になっています。

いづれも、昨今の多くのコールセンター管理者の悩みの種になっている「採用難」・「離職の悪化」を反映している結果だと思います。

長年に渡り、トップに君臨していた「品目向上」を追いやり、「オペレーター・SV」の採用難・育成難がワン・ツー状態になっています。

 

そして、今課題認識を持っている採用難・離職悪化のトレンドについては、一時期の問題では無く、今後も改善の目途が立たない根深い問題だということです。(別の機会にCCを取り巻く環境変化について紹介しますが、少子高齢化による労働人口減少・コールセンターの不人気職種が定着・AIに代表される自動化との共存・業務内容の高度化などCCを取り巻く環境は激変してます)

 

私も5年前までインハウス・コールセンターの統轄マネジメントをしていましたが、大阪と札幌での採用には苦戦しながらも、必要とする人員はなんとか確保する事はできていました。

しかし、この5年の間に日本全国のコールセンターを数々訪問してきましたが、東京都心以外の、札幌も福岡も沖縄も四国も山陰にあるコールセンター・ほぼ全てが採用難・離職悪化に苦しんでいる光景を見ています。中には、地方センターではもう集客できないと縮小・更に撤退・首都圏回帰をしている事例も増えてきています。

コールセンター白書を発刊している、リックテレコム社の方にも、色々な方から、「採用難に苦しまない場所はどこでしょうか?」という質問が来るそうですが、答えは「日本にそんな場所はどこにもありません!」という返答をしているそうです。

そうなると、今後改善の目途が立たない「採用難」について、コールセンター管理者が真剣に考えなくてはいけないのは、「採用が厳しいなら・辞めないコールセンターにしよう!」ということだとおもいます。

 

次回は、この“辞めないコールセンター”にするために、各社はどんな取り組みをしているのかをコールセンター白書2018のデータから考察したいと思います。

 

⇒ 「コールセンター白書2018」の内容に興味がある・購買希望の方は下記を参照して下さい。

ここをクリック

2018年10月19日 10:24

Vol.20 CRMデモ&カンin東京 <コンタクトセンター実践講座の紹介>

研修風景

こんにちは!「さつき先生」です。

来月11月は15日と16日にコールセンター業界の最大イベントである「コールセンターCRMデモ&カンファレンス」が東京の池袋サンシャインシティで開催されます。

詳細はここをクリック!

さつき先生も、11月14日(水)と15日(木)の2日間は実践講座の講師として登壇します。この実践講座は開始から15年近く経ちますが、初回から15年間連続して登壇しつづけています。

・11月14日(水)・・コンタクトセンターマネジメント講座・実践編

詳細はここをクリック!

・11月15日(木)・・実践! KPIマネジメント課題解決研修

詳細はここをクリック!

 

昨年まで「コールセンター運営の基本知識とマネジメント入門講座」のネーミングで実施していた研修のリニュアル版です。今回からの新しい取組として、前日11月13日には「コンタクトセンターマネジメント講座・入門編」をカルディアクロスの和泉さんが実施します。

詳細はここ!

和泉さんの「入門編」と私の「実践編」との間で研修カリキュラム内容の摺り合わせを行っており、「入門編」と「実践編」を連続受講頂くと、より理解が深まる設計・内容にしています。

1年以内にコールセンター管理者を始めた新任SVからマネジャーやセンター長、また、長年センター管理をしているがもう一度基礎からコールセンター運営全体を学びたいとい管理者の方にお勧めです。基礎的な内容から実践的な演習まで幅広く学べる研修になっています。

 

私の講座はとにかく実践的な内容を豊富に盛り込んでいます。「コンタクトセンターマネジメント講座・実践編」ではCPCの計算問題あり、応答率・稼働率の考察でのグループディスカッションあり、離職対策でどうやって離職防止をしていくのかの深掘り議論もあり、まさに明日から現場実践に活用できるものばかりです。

また、「実践!KPIマネジメント課題解決研修」では、シフト作成の最適化演習や、シックスシグマ手法を使ったAHTの削減プロセスのレクチャー、具体的なKPIデータ数値を読み解きながらの「読み解き⇒分析⇒課題想定⇒課題解決」までのプロセスをグループディスカッションを通じて体感してもらいます。いづれの研修も最後には総合理解度テストを実施し当日の研修の習熟度を測ります。(点数は自分限りの非公表で、公開も共有もしませんのでご安心下さい。)

 

また、どちらの講座も特典として、「アーランB式・C式の簡易マクロ計算シート」と「研修で使用する実践的なレポートテンプレート」を差し上げます。

 

お陰様で毎回の受講者の方の満足度もほぼ100%で、「社内では得られない特別な知識・スキルとして」他人推奨度(NPS)も高評価を頂いておりますので、同僚の方や部下の方にご推奨いただけるのであればお願いします。

2018年10月06日 19:54

Vol.19 「1Dayアセスメント」具体的事例の共有 <その4>

離職率データ

数社限定で“無料の2時間の簡易的なコールセンターアセスメント”に伺いますと書きましたが、まだご応募・ご相談受付けていますので、宜しくお願いします。

前回に引き続き、今回も過去に「1Dayアセスメント」による調査を受けた企業様の実例紹介をします。今回は、中堅テレマーケティング・アウトソーサーの事例です。

東京をヘッドクォーターの拠点として、地方複数拠点でアウトソーサー事業を展開している会社です。多種多様なインバウンド、アウトバウンド業務をしていますが、今回はその中でも、携帯端末のテクニカルサポート業務の「アセスメント調査」を依頼されました。

今回も、1.5日をかけて、SV、マネジャー、センター長、経営層の方8名の方からヒアリングを行い、現状の最も大きな課題3つのピックアップしてもらいました。

 

まず、全員の共通課題として挙げられたのが、「離職率が高い」、「特に新人が早期に辞めてしまう」という点でした。ただし、採用数の推移・離職者数の推移、離職率などのKPIデータをきちんと取っていなかったため、まずは、「離職率の定義」と、「離職率を見える化」する事を提言しました。離職率の見える化については冒頭のグラフの使用をアドバイスし、毎月入社する新人層がどの時点で早期離脱していくのか、全体傾向の把握にまずは着手。

このグラフは実際の数値では無く、サンプルのグラフですが、例えば、1月採用:10人、2月採用:20人、3月採用:10人の新人がその後、どのタイミングで離職していくかが見える化できます。

このグラフを見ると、3ヶ月目に大きく落ち込む傾向がわかるので、その背景には何があるのか? なぜ2ヶ月~3ヶ月目で大きく離職が発生するのか?が検証すべきポイントとわかります。理由には様々な要因が複雑に関係してきますが、「1Dayアセスメント」から次の改善フェーズに移行してくると、ここの課題・解決手段が見えてきます。

「1Dayアセスメント」だけで問題点を把握して、その後自社で改善活動を行うのでも結構ですし、その後、課題解決として、コンサルティング型フェーズに移行する場合もあります。

 

もう一つ、今回の携帯端末のジョブの特徴として、処理時間の長時間化の問題がありました。世の中の傾向として、どんどんガラケーからスマートフォーンへの乗り換え、高齢者の保有率も高まり、初心者ユーザーの急増、高齢者対応に加え、広範囲なサポート範囲の問題がありました。1Dayアセスメント当時の平均処理時間(会話+後処理時間)は25分を超えていました。

【長時間傾向の背景】

①     :離職の悪化⇒新人層の割合が常に高い⇒相対的に平均処理時間が長くなる。

②     :初心者ユーザーの急増、特に高齢者層に対しては長時間化傾向になる

③     :携帯端末以外に、PCサポート、ビジネスソフトサポート(エクセル・ワードなど)、家電製品など身の回りにある周辺機器のサポートも対象範囲である(難易度が高い)

規約上の問題もありますので、上記の③の調整は難しい。①は前述の離職対策による効果によって短縮化が可能、②については、対応手法やアプローチを変えるだけでも効果があるという点を1Dayアセスメント上で提言をしました。

1例を挙げると、問い合わせの中でのLINE関連の割合が高いにも関わらず、新人初期研修の中であまり触れられていないという事が判明。新人研修カリキュラムを再構築して対応する事で、LINE関連の処理時間を削減するというのも今回のアセスメント調査の発見の一つでした。その他、効果的なFAQの使い方の提言も行いました。

「1Dayアセスメント」は、まずは自社のコールセンターの状況を知りたい、課題は沢山あるが優先順位がわからない、そもそも解決手法がわからないというセンターにお勧めです。ブログの中で全てを表現するには限界がありますので、是非、今回のブログを読んで興味をお持ちの方は、無料の「1Dayアセスメント」にお申し込み下さい。

2018年10月03日 11:17

Vol.18 「1Dayアセスメント」具体的な事例の共有 <その3>

1Dayアセスメント ブログ 参照図

前回は、“無料の2時間の簡易的なコールセンターアセスメント”に伺いますと書きましたが、まだご応募・ご相談受付けていますので、宜しくお願いします。

今回は、過去に「1Dayアセスメント」による調査を受けた企業様の実例紹介をします。

企業名は公開できませんが、日本を代表する大手銀行様のインハウスのコールセンターの事例です。元々は私が毎年実施している、CRMデモ&カンファレンスの実践講座を受講していただいたご縁で、色々とコールセンター運用の相談をメールベースでしていました。

(今年も11月に東京・池袋でコールセンターの実践講座を2つ実施します。参考まで!)

http://callcenter-japan.com/campus/1326.html

いくつか質問や相談を受ける中で、社内の管理職が異動人事による管理者が多く、コールセンター運用に精通した社員が少ない、ここ1年間急に離職者が増え出した、業務内容も範囲が広く難易度が難しくなる中、処理時間もどんどん長くなっている。などの状況を伺い、「一度、御社のコールセンターをアセスメント調査しませんか?」とお声かけさせていただき、早速実施に至りました。

今回は、センターの規模も大きく1.5日をかけて、SV、マネジャー、センター長、教育担当、品質管理担当の方からヒアリング、様々な角度から実態調査を行いました。

まず、課題として浮き彫りになったのが、掲げているKPIの意味や管理・コントロール手法をほとんどの社員が把握していない事(過去からの踏襲で来てしまって、KPIの言葉の理解や、悪化した場合の具体的な対象法などほぼ皆無の状態でした)

背景として、ある意味日本特有の問題ですが、マネジャー以上の管理職が2~3年の後に定期異動で入れ替わる事から、スキル・知識が定着していない。また現場にしっかりとしたコールセンターマニュアルが整備されていないので、異動で着任しても研修らしい研修が無い。

 

この課題に対しては、まずは「コールセンターの基礎知識・マネジメント入門講座」、「KPIマネジメント課題解決研修」を5日間かけて全員の管理者に実施し、基礎知識を固めました。

その後、2ヶ月をかけてコールセンター用語集、運用マニュアルの骨子固め、社内教育体制も含めて組織の再整備を行いました。それに至る過程にも様々なハードルがありましたが、ここでは書き切れない部分もあり割愛します。

次に離職率問題に関しては、そもそも離職率の計算方法が確立していなく、人事部から送られてくるデータだけを見ている状態でした。

 

この課題に対しては、まず離職率の計算方法と、毎月新人で入社してくるグループをその後、後追いできるような「見える化グラフ」を導入しました。

そして、退職者が入社後3ヶ月以内に集中している点に着目して、入社後3ヶ月以内の教育プログラムの改訂、面談・フォロアップの仕組みを再構築しました。

(ここは、このブログのVol.10、11を参照頂くと、離職率に関する理解・離職対策についてどういう取組をしたのかがイメージできると思います)

 

最後に、処理時間問題に関しては、なかなか根深い問題です。

①     :離職の悪化⇒新人層の割合が常に高い⇒相対的に平均処理時間が長くなる。

②     :昨今の会社の流れ・金融商品の多品種化が影響して何でもコールセンターに振られる⇒多方面に渡る対応・常に新商品に対応する⇒相対的に平均処理時間は長くなる。

 

ここではシックスシグマ手法によるバラツキの最適化、VOC分析によるFAQナレッジマネジメントの再構築で最適化対応を実施。詳細は割愛しますが、着手から4ヶ月が経過した時点で、当初18分だったAHTが15分まで短縮されました。金額にすると年間数千万のコスト削減に匹敵します。

 

なかなか、「1Dayアセスメント」とそれからの課題解決に至る道筋を、ブログの中で表現するには限界がありますので、是非、今回のブログを読んで興味をお持ちの方は、無料の「1Dayアセスメント」にお申し込み下さい。

2018年09月26日 16:32

Vol.17 無料「簡易版1Dayアセスメント」の案内と、アセスメントの具体的な進め方 <その2>

【HP掲載】1Dayアセスメント

前回は、さつき先生が直接、そのコールセンターを訪問し、1日かけてSV、マネジャー、センター長、経営幹部層などからヒアリングを行い、また実際の様々なKPI情報(コール予測精度・応答率推移・処理時間推移・離職推移・CPC推移など)を分析して、現状診断する「1Dayアセスメント サービス」について書きました。

もし、前回と今回のブログ内容をご覧になって、このコールセンター・アセスメント・サービスに興味がありましたら、数社限定で直接、さつき先生が御社のコールセンターを訪問し“無料の2時間の簡易的なコールセンターアセスメント”を行います。(ただし、私が大阪在住ですので、大阪市内は無料で伺いますが、遠方のセンターにつきましては交通費の実費のみ頂きますので、宜しくお願いします。)

 

1Dayアセスメントは事前に、現在のコールセンターのKPI資料を頂きます。例えば、過去1年間のコール予測・実際の着信数・実際の処理件数の3つの推移グラフ、応答率推移(月間・日間・時間帯など)、処理時間推移(会話時間と後処理と保留時間)、採用予定数⇒採用数⇒研修離脱数⇒着座後の離職数など時系列的な情報を元に離職率の推移をチェックします。

他にも、経営指標のインバウンドであればCPC(Cost Per Call)やアウトバウンドであればCPA(Cost Per Acquisition)などの指標推移のKPIデータも頂きます。

もちろん事前に準備できる範囲でお願いしていますので、上記のデータが全て取りそろっていなくても問題ありません。                                                         (無料アセスメント・サービスは2時間ですので、このKPIの中で限定的にテーマを絞ってのアセスメントになります)

上記のKPIサマリーデータを事前に頂きながら、当日は主に、SV,マネジャー、センター長、経営層の方からヒアリングを実施し、事前にもらったKPIと、現在の大きな3つの運営課題を中心に深掘りをしていきます。

大体朝の9時~13時ぐらいまでのヒアリングを実施する事で、事前のKPIデータと相関して見ていくと、そのセンターの課題・問題点や重点課題が浮き彫りになってきます。

 

前回資料にも整理していますが、コールセンターの課題として大きく7つに分類すると、

①     :「コールセンター戦略」、②:「システム管理」、③:全体管理(専門知識・スキル・マネジメント力など)、④:「人材管理(採用・教育・離職)、⑤:「稼働管理(予測手法)」、⑥:「生産性管理(AHTの最適化)、⑦:「品質管理(モニタリング・安定化)」の7つに大別されます。ほとんどのコールセンターはこれら単体の問題や複合的な問題・課題に悩まされています。

ただし、残念ながら、その問題・課題を解決する手法がわからず、手をこまねいていたり、放置されているのが現状のコールセンターの問題点だと思います。

お医者さんでも、耳鼻科、内科、外科など専門分野が分かれていますので、一般にコンサルタントと言っても全てのコンサルタントが“、コールセンター課題解決”に有効とは限りません。

是非一度、皆さんのコールセンターのアセスメント診断を受けて、現状の課題について理解を深めませんか?

次回は、実際に1Dayアセスメントから課題を抽出し、最終的に課題解決に至った企業事例をご紹介します。

2018年09月15日 15:31

Vol.16 さつき先生の「コールセンター 1Dayアセスメント サービス」の紹介  <その1>

1Dayアセスメント

今回からシリーズで4回(予定)、コールセンター向けの1Dayアセスメント サービスについて書いていきます。

1回目は、コールセンターの運用・管理で悩まれている内容はどんな事なのか?について、

2回目は、それらをどのようなプロセスで解決していくのか?のプロセスについて

3回目・4回目は具体的な企業事例をベースに、実際にアセスメント診断から具体的にどのように課題解決をしていくのかをヒントを、ストーリー形式で紹介したいと思います。

 

そもそも、コールセンターを運営・管理しているセンター長や上位管理職の方100人にヒアリングすれば、大多数の方が、 「うちのコールセンターは上手く回っていない。課題だらけで困っている!」という返答が返ってくると思います。

昨年のJBMブログ(Vol.31Vol.41)の中で、「コールセンター白書2017」からのデータを元に考察を書いていますが、現場の課題として「採用難!」、「離職率の悪化!」、「教育・育成の課題!」、「システム環境変化(AI・チャットボットなど)への対応」など、課題満載の状態である事は既にお伝えしている通りです。

(過去ブログの参照は下記のアーカイブよりご覧下さい)

https://jbmhrd.co.jp/blog/archive/ac_satuki

 

しかし、これらのコールセンターの課題は、「困ったなぁ?」と思案しているだけでは改善も解決もしません。

まずは、自社のコールセンターの状態を健康診断する必要があります。

その上では、経験豊富なプロの目線で、自社のコールセンターをアセスメント診断して、どこは問題無いのか、

どこが課題なのかを診断する必要があります。

例えば、離職率の悪化の問題一つとってみても、コールセンターによって業務内容の難易度も異なれば、職制(派遣・契約・正社員)・初期研修内容・フォロアップ体制・福利厚生など背景・状況は異なりますので、一概に“うちの業務は難しいから離職が高いのは仕方が無い!”とも言い切れません。

離職率が高いには、必ずそのコールセンター独自の要因・原因がありますので、その根本原因を特定して、改善するためのアクションプランを策定・実行をしないと改善は難しいです。

 

「コールセンター 1Dayアセスメント サービス」は、さつき先生が直接、そのコールセンターを訪問し、1日かけてSV,マネジャー、センター長、経営幹部層などからヒアリングを行い、また実際の様々なKPI情報(コール予測精度・応答率推移・処理時間推移・離職推移・CPC推移など)を分析して、現状診断するサービスです。

(なお、センターが数百席の大規模センター、拠点数が複数ある場合には複数日のアセスメント調査が必要です)

このアセスメント診断を行ったほとんどのコールセンター管理者の方からは、下記のようなコメントを貰っています。

・肌感覚では分かっていたが、「今回数値化など見える化された事で、現状がリアルにわかった。」

・現場のSVの悩みなど、今回のアセスメント診断を通して「体系立てて理解する事ができた」

・課題はあると思っていたし、内心なんとかなると思っていたが、「ここまでひどい状況とは知らなかった。早急に対応策を

 検討・実施しないと大変になる事がわかった」などです。

次回は、アセスメント調査と、どの後の具体的な進め方についてお伝えしたいと思います。

2018年09月11日 14:25

VOL.15 CXの実現に向けて!「CXのつくり方 in 大阪」の実践ワークショップ  その4

CXブログ セミナー紹介

CXシリーズも今回4回目で最終回になります。今回は、最近企業様からお聞きする声と一緒に、どうやって、社内でCX活動を根付かせていくかのポイントをお伝えします。

今年に入り数十社の企業様を訪問させていただき、CX活動に関する現状や、お悩みをお聞きしました。その声にはある種の共通項目がありました。

①     :当社は縦割り組織の色が強いので、横断的に横串を指した取組は難しい

②     :経営層や上司が「今年はCXやるぞ!」とかけ声はかけられるが、具体的に何から始めたら良いかわからない!

上記2つの声は過半数以上の企業様から聞かれたお声でした。確かに、いきなりコールセンターの管理職や、営業現場から「CXをやろう!」とかけ声をかけても、

全社一丸となって取り組むには時間と労力がかかると思いますし、経営層からかけ声はかかっても、何からやれば良いかわからないというのが正直な気持ちだと思います。

そんな方々に是非、お受け頂きたい実践型のワークショップがあります。

2018年9月12日(水)と13日(木)の2日間をかけまして、経営とサービス組織の現場を結ぶマネジメント・フレームワークの導入と題しまして「CXのつくり方ワークショップ」を大阪で開催します。

ジョングッドマン氏の米国CCMC社の豊富なプロジェクト経験・実証データに基づくワークショップです。

詳細はここをクリックして下さい!

チラシの写真にジョングッドマン氏が写っていますが、昨年東京で同ワークショップを実施した際に特別ゲストスピーカーとして講演をしてもらった際の写真です。

今回のこの「CXのつくり方ワークショップ」では、以下のポイントに重点をおいて実施します。

①     :CX3.0マネジメント手法の効率的な学習

②     :ワークショップ形式で他社の参加者との交流含め豊富な知見が身につきます

③     :導入企業の実例とベストプラクティスを学び、自社での展開イメージを共有する

④     :各社のCX施策実施のためのアドバイスを致します。

どうしても、数時間のセミナー形式では、「CXについて良い話を聞いたが自社に持ち帰って実践するには何からやればよいか?」という状況になると思いますが、この2日間の実践型ワークショップを受けられると

実際に自社に持ち帰って社内で実施していく上でのポイント、Know-howを学ぶ事ができます。

この1年間でも、大手金融機関、大手自動車会社、大手通信、準大手航空会社、中堅メーカー企業様など、様々な企業様がこの2日間のCXのつくり方ワークショップを受講し、その後自社のCX推進を実現している事例も沢山あります。

冒頭に戻りまして、どの企業様を訪問しても現場の責任者の方は、今まさにCX活動をすべき時期に来ているとの実感を持たれていますが、遅々として進まない現状に危機感すら感じているようです。

今年は、今までのもやもやを解消すべく、一緒にCXの実現に向けて一歩踏み出す年にしませんか! 私、さつき先生も主催者の一人ですので、このワークショップの2日間は会場におりますので、皆さんのご参加をお待ちしています。

2018年08月20日 17:24

Vol.14 CXの実現に向けて。カスタマージャーニー・マップとVOCの組み合わせ  その3

カスタマージャーニー・マップ

今回はCXシリーズの3回目です。最近では多くの企業でカスタマージャーニー・マップを作成していると思います。色々な作成の仕方がありますが、

実際のVOCを当てはめながら作成していくのが、一番現状を反映したカスタマージャーニー・マップになると思います。

基本的な事として、苦情・要望・質問の全てを「顧客の痛点」として捉え、カスタマージャーニー上に並べていきます。

そして製品製造プロセスから、あらゆるチャネルの顧客接点について網羅していきます。

この際に、KJ法を使うと、網羅性を持った情報整理ができます。

(KJ法とは:収集した情報をカード化し、同じ系統のものでグループ化することで情報の整理と分析を行う。ブレーンストーミングによって収集した情報を、KJ法を用いて整理することが多い。)

 

企業によっては、横幅5mにも及ぶ巻物になるケースもありますが、特に最適な長さがあるわけでは無いので、製品設計からマーケティング、そして流通経路が複雑な場合は、

カスタマージャーニー・マップは長くなる事もありますし、シンプルな場合は短く場合もあると思います。とにかく、あらゆる、苦情・要望・質問の全てをVOCと捉えて、

一度全体的な俯瞰したマップを作成してはどうでしょうか?

そして、カスタマージャーニー・マップから、次に痛点マップを作成し、「最も深刻な痛点の発生率」と「製品プロセス・サービスディリバリ―」とのマトリクス整理をして、

「痛点マップ」を作成してみると、より自社の問題点が浮き彫りになるのではないでしょうか?

 

前々回のVol.12のブログ内容を振り返って参照下さい。

ある家電量販店は「製品製造から販売、配送、利用開始、コールセンターへの入電」とプロセスが進みます。

下記の①~⑧に渡る工程・顧客接点が発生しているのがわかります。

:事前にネット検索でその商品の事を色々と「検索」をかけ情報収集している

 ②:そして、直接売り場で店員さんとの会話 

 ③:購入する際のレジ担当 

 ④:冷蔵庫・エアコンなどを購入した際には商品配送の配送員の対応 

 ⑤:配送員が家内で工事・設置する際の顧客応対 

 ⑥:購入後・設置後の様々な質問などでコールセンターに電話 

 :自社HPでのFAQ参照、自社HPからのメールでの問い合わせ 

 SNSを使ったチャネル接点

 

ここで、KJ法を使いながら、カスタマージャーニー・マップを作成していったところ、「配送」という思わぬ顧客接点の痛点が浮き彫りになってきました。

ある会社は配送を自社では無く、外部委託していたのですが、配送時の顧客接点の評価が悪いというVOCがクローズアップされました。

どうも運んで設置するだけ(置くだけ)になっていたようです。一方、競合のある会社は配送も自社の配送網・スタッフを使って行っていて、

設置後の使い方や注意点などのきめ細やかなサービスがお客様の信頼を勝ち得ているという結果になった例があります。

更に、自社の配送網・スタッフを活用する事で、家庭一つ一つの家電製品の利用年数や次の買い替え候補などの情報も入手でき、そのデータを基に、

次のパーソナルマーケティングを行う事で売上貢献を達成しているという事例もあります。

 

カスタマージャーニー・マップから見える痛点、VOCをベースに利益貢献を達成している事例の一つだと思います。

カスタマージャーニー・マップも作る事が目的では無いので、作成から次の経営課題・営業方針が見える事もありますので、是非一度真剣に取り組む事をお勧めします。

2018年08月20日 17:09
さつき先生の今
日から役立つコールセンターのちょっといい話

コールセンターの課題解決の相談は
さつきソリューション

Tel:090-7557-8646

【事業所本部】
〒560-0003
大阪府豊中市東豊中町 5-21-14

事務所概要はこちら

モバイルサイト

さつきソリューションスマホサイトQRコード

スマートフォンからのアクセスはこちら