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コールセンターのちょっといい話

Vol.53 コールセンター白書2019から見るコールセンターの今! <その3>

今後実施予定の対策
前回は、今後改善の目途が立たない「採用難」について、「採用が厳しいなら・辞めないコールセンターにしよう!」ということについて、各社はどんな「離職防止施策」を実施しているのか?のアンケートで「実施した」のベスト3「業務に対するフィードバックを強化した」:34.5%、「時給を上げた」:31.4%、「表彰制度」・「「人材育成の充実」:30%%について紹介しました。
 
今回は、まだ実施していないが「今後実施予定の離職予防施策」のアンケート結果について紹介します。これから実施予定の対策についても「業務に対する評価とフィードバックを強化する」:20.9%がトップで、次に高い割合なのが「研修など人材教育プログラムを充実」:17.3%と、やはり教育に注力しているセンターが多い傾向のようです。ただし、気になるのは「無回答」:27.3%にあるように、全体的にチェックする項目数が少ない割に「無回答」が一番多い割合という事は、もしかしたら「次の一手」が見いだせずに「何をやっても効果が無いと諦めている?」、「手詰まりの状態?」の可能性も感じさせます。
 
これをやったら絶対に離職に効果があると言われる特効薬が存在しないだけに、管理者の皆さんも頭を悩ませている問題ですが、これをやったらダメというNG行為は沢山あります。
その代表的なケースは、繁忙期の詰め込み短縮研修でのデビューですが、繁忙期に離職が相次ぎ・緊急に新人採用を行うと、通常:2週間かかる研修を1週間に短縮して促成栽培しようとするケース。ミニマムスキルとアドバンストスキルをきちんと分けて、定型多件数の案件に絞って研修を実施、その結果として研修期間が短縮されていれば良いのですが、通常研修を無理矢理短縮して理解度チェックもフォローも無いまま現場デビューされてしまって、結果的に新人離職を悪化させてしまうケースです。現場が忙しいので心理的に分からないわけでは無いですが、これは悪手の典型的なケースです。
 
また離職予防の観点から、絶対に欠かせない取組が「メンタルケア」だと思います。コールセンター白書のデータからも「産業医など専門家と契約し窓口を設置している」の回答企業が44%になっており昨年の29%よりも大幅に増加しています。
次に「ストレスチェック義務化法」への取組についても「非正規社員を含めたストレスチェックを実施」が41%、「正社員のみを対象に実施」が35%となったおり、一応の取組は実施しているようである。
 
前回も書きましたが、コールセンターは肉体的な負荷よりも精神的な負荷が高い業務になりますので、その観点での取組(リフレッシュルームの充実・コミュニティ形成の仕組み・孤立しない仕組みなど)で効果を発揮しているセンターも少なく有りません。
最近ではカスタマー・ハラスメント(カスハラ)という言葉も定着しつつあり、悪質なお客様からのクレームに対する対応姿勢なども変化してきています。
現場マネジメントの終わり無く取組は続くと思いますが、「メンタルケア」への配慮はマネジメントとして最優先で取り組むべき課題と言えます。
 

⇒ 「コールセンター白書2019」ではより詳細に離職実施策や今後の対応予定策など説明されています。内容に興味がある・購買希望の方は下記を参照して下さい。

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コールセンター白書2019
2019年11月27日 10:36

Vol.52 コールセンター白書2019から見るコールセンターの今! <その2>

実施した離職防止
前回に続きリックテレコム社から発刊されている「コールセンター白書2019」からの考察を独自視点も入れてコメントしていきます。
 
今回は、今後改善の目途が立たない「採用難」について、「採用が厳しいなら・辞めないコールセンターにしよう!」ということについて、各社はどんな「離職防止施策」をしているのかを取り上げたいと思います。
 
冒頭のグラフをご覧下さい。離職予防施策として実施した」のベスト3は「業務に対するフィードバックを強化した」:34.5%、「時給を上げた」:31.4%、「表彰制度」・「人材育成の充実」:30%%が上位を占めています。大手金融機関ではグループ全体でオペレーターの応対コンテストを実施している事例も多くありますが、モチベーションアップ施策としては最も実施しやすい施策の一つです。応対品質以外でも、皆勤賞・模範となる処理効率・効果的な改善施策提案などを表彰するコールセンターも多いと思いますので、「表彰制度」は手軽に実施でき、かつ効果が見込める施策と思います。ただ気をつけたいのは「表彰制度のマンネリ化」です。何年も同じ条件と項目で実施を続けていると、受賞者はいつも同じ社員だったり・目新しさが無くなり現場でのマンネリ化を招く恐れもありますので、定期的なブラッシュアップは必要です。
 
一つご紹介したいのが「Google」で実施している「ピアボーナス制度」です。社員一人が月に1000円程度の相手に与える事のできるインセンティブボーナスの権利を保有しており、日々の業務の中でこの方の手助けで助かった! この方の業務効率化はすばらしい! いつも周りへの気遣いがすごい!など、その方にインセンティブボーナスを差し上げたい!と思ったら社内サイトを使ってボーナスをメッセージと一緒にお金を送る事ができます。一年間で数千円~MAXでも3万円にもなりませんが、貰ったインセンティブでちょっと豪華なランチやディナーぐらいは行けるそうです。年間のピアボーナスランキングなども社内で共有されるそうで、上司だけから評価される社内報奨制度とは違い、同僚・他部署の社員からの感謝のボーナスの積上げなので、本人の満足度は非常に高いそうです。結果的に社内から自分の働きを認められているという承認欲求を満たす上では非常に効果的な施策かもしれません。ちなみにメルカリさんも同じような「ピアボーナス制度」を日本で展開しているようです。
 
また、「研修・人材教育プログラムを充実させた」や、「業務に対する評価とフィードバックを強化した」も昨年に続き離職予防として実施している傾向が強いようです。
これも、コールセンターのオペレーターではキャリア形成にならない、やっつけ仕事のように思われているので、研修・人材教育は重要なキーワードだと思います。ある調査機関の結果ですが、その会社で仕事を続けるモチベーションとして、当然「給与水準」というのは大きな要素ですが、結構高い割合だったのが「その職場が学べる環境にあるかどうか」という結果もあるようです。中長期的に学べる環境を整えるのも、今後のコールセンター運営の勘所だと思います。
 
しかしながら、何から手を付けていいかわからないセンターや、今回の離職予防施策のほとんどをやっているが、あまり効果が上がらないと悩んでいるセンターも少なくないと思います。コールセンターは肉体的負荷よりも、精神的負荷の高い仕事です。もしかすると目に見える施策そのものよりも、目に見えないけどメンタルケアに向けた「面談・フィードバック・コミュニティ作り・癒やしの空間」などが離職予防の特効薬になる場合もあります。何がそのセンターにとって一番有効な離職対策なのかは、置かれている環境や状況によって違います。
孤立しがちな職場ですので、休憩時間や昼休みなどに気軽にグループ・サークルになれるように休憩室のレイアウト配置を変更しただけでコミュニケーションが活気づいて、センター全体の雰囲気が良くなったという事例もあるようです。
 
まずは、社員の声を聞くという意味では「従業員満足度調査:ES調査」が一番の近道だと思います。不満ばかりしか声が上がらないと思われがちですが、やはりそこは「社員の生の声」ですので、この声に真摯に向き合う姿勢から始めるのが王道と思います。
 

⇒ 「コールセンター白書2019」ではより詳細に離職実施策や今後の対応予定策など説明されています。内容に興味がある・購買希望の方は下記を参照して下さい。


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コールセンター白書2019
 
2019年11月20日 00:15

Vol.51「コールセンター白書2019」から見るコールセンターの今! <その1>

2019年 白書セミナー20191001_投影資料
先月10月にリックテレコム社から、「コールセンター白書2019」が発売されました。
昨年もこの白書データの私なりの考察を「さつき先生ブログ」の中でシリーズでお伝えしましたが大変アクセス数の多い人気ブログでした。今年も「コールセンターの今!」を知る上で参考になるデータや現場のアンケート結果から見えるトレンド推移・色々な課題など有益な情報が満載ですので、今回から複数回に渡りシリーズで独自考察も交えてお伝えしていきます。
 
冒頭のグラフをご覧ください。過去11年間の採用時時給の全国平均の推移のグラフになります。
過去11 年の時給推移を見てみると、2008年9月のリーマンショック直後から全国平均時給は下降を続けて、景気回復基調に転換してきた2014年以降、上昇基調に転じています。今年は一見高止まりのように見えますが、このまま来年以降も下がり続けるのか、落ち着くのかと言うと、日本の労働人口が今後劇的に減少し続けることを踏まえればその可能性は低いと言えます。
今年に関しては2018年問題といわれた、5年以上働いた契約社員や3年以上働いた派遣社員の無期化が進んだ影響で、新規の時給制募集については瞬間的に落ち着きを見せたという一過性のトレンドである可能性が高いです。
 
皆さんも直接の現場の肌で感じているように全国的な採用難は深刻です。
一昔前の感覚で、コールセンターのオペレーターは派遣・アルバイトで安く調達できる!や地方にコールセンターを創ればコスト削減になるという時代は終わりを告げています。全国的に採用難は深刻で、地方拠点を新規開設する目的はコスト削減よりも人材確保にシフトしています。企業誘致を行う地方自治体の方に話を聞いても100席200席という大規模案件は期待に応えられないと口をそろえ、30席ほどの小規模センターを積極的に誘致しようとしているという状況です。ここ数年この運営方針に失敗し、地方拠点から撤退しているセンターもいくつかあるのが実態です。

「コールセンター白書2019」の中では今後のコールセンター運営で取るべき手法として次ぎの4つが重要と位置づけています。


①:正確な業務量を予測するアナリティクス能力を持った人材育成
  ⇒ここは経験値・分析力・調整能力が求められます。この稼働管理のスペシャリストを配置していないセンターが非常に多いのが実態のようですので、50席を超える中規模センター以上になったら真っ先に考えたいポジションです。
②:①で算出した業務量に平均的に対応できるコア人材として無期雇用、正社員採用を進め定着率促進に努める
  ⇒離職対策とも直結しますが、場当たり有期雇用人材での安定運用はほぼ不可能に近いと思います。
③:求人に対して反応のよいメール、チャット対応の採用と拡充
  ⇒ここは業種業態によって対応方針が異なりますので、各社の戦略に沿った考えが求められます。
④:同時に業務量を平準化するための仕組み(AIなどの最新テクノロジーを駆使したセルフサービス化、エフォートレス化)の導入
  ⇒ここは100席を超える大規模センターであれば待ったなしの課題です!構想から実施・効果がでるまで時間がかかるので早期の着手が必要
 
場当たり的に派遣会社やテレマアウトソーサーに増員を依頼して安定的に運用できる時代は終わったことを念頭に入れて、より高度かつ中長期的な観点での人材マネジメントが求められます。
 
「コールセンター白書2019」では全国を北海道・東北・関東・東海・関西・・・四国・九州・沖縄など細かくエリア分けされ、業種別の時給推移も掲載されています。更にはチャネル別時給(電話のみ、電話+メール、電話+メール+チャット、メールのみ、チャットのみ・・・など)も細かく分類されていますので、自社の時給設定や募集要件の確認などにも参考になります。
 

⇒ コールセンター白書2019の内容に興味がある・購買希望の方は下記を参照して下さい。

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コールセンター白書2019
2019年11月04日 18:00

VOL.50 コールセンターCRMデモ2019(東京)&実践講座の特典紹介

先日、来月11月12(火)と13日(水)の2日間を通してコールセンターの実践講座の紹介をさせてもらいました。今回は、受講特典として受講者の方だけにお渡ししている特典資料についてご紹介させてもらいます。

●11月12日(火)は「基本から学ぶKPIマネジメント実践編」を実施

詳細はここを参照!

●11月13日(水)は「コールセンター運営の基本知識とマネジメント入門講座」を実施

詳細はここを参照
 
KPIマネジメント実践編の主要テーマはもちろんKPIですが、コール予測から必要人員数計算に用いられるKPIをご存じでしょうか? ご存じの方も多いと思いますが、「アーランC式」を使って必要要員数計算を行います。アーランC式の詳細については今回、割愛します。もう一度確認されたい方はこのブログのVol43のアーランの基礎知識を確認して下さい。
 
アーランB式では、コール数や話中率をベースに必要回線数を計算しますし、アーランC式ではコール数・目標サービスレベルから必要要員数を計算していきます。
この研修の受講特典として、簡易版のアーランB/C式のエクセル・マクロ計算シートをお渡しします。基本的にワークフォースマネジメントシステムもベースはアーランC式です。
20年ぐらい前になりますが、自作でアーラン式のロジックを計算式で組み入れエクセルで簡単に回線数や要員数を計算できるシートを作成しました。
エクセルのイメージ画像は下記になります。黄色のセルのパラメーターに数値入力するだけで赤いセルの数値が計算されます。
 エクセル アーラン式
もう一つの特典資料は、「勤怠状況レポート」のテンプレートの提供です。
各コールセンターではオペレーターの勤怠状況や離席時間の管理をしていると思います。この勤怠状況レポートは、在席するオペレーター・SV全員の総ログイン時間の中から、欠勤や有給・残業などの勤怠時間と、会議時間やフィードバック時間、SVの待機時間などの離席時間を差し引いて実際の現場の稼働生産性を一目でチェックでいるレポートになります。
ワークを通じてこの勤怠状況レポートの有効性は体感してもらえると思いますが。受講特典としては、エクセルで作成した勤怠状況レポートのエクセルのテンプレートとパワーポイントで作成した解説資料も合わせて提供します。
解説資料のイメージ画像は下記になります。
 勤怠状況レポート
上記2つの特典資料は、どちらの講座を受講いただいても2つともご提供しています。
活用次第では、受講料の何倍もの価値がある特典資料だと思いますので、是非ご興味がありましたら、部下の方や同僚の方へのご推薦も含めてご参加のほどよろしくお願いします。
 
最後に、私の実践講座以外にも業界の専門家の先生が現場運営に即した実践的な研修を実施していますので、この機会に様々な研修を受講して現場の運用改善の一助にすることをお勧めします。とにかくコールセンター運営・マネジメントは専門性が高いので、専門知識・経験が重要です。自社の運営課題に対して日々悶々としているよりも、一度専門的な知識・スキルに触れることをお勧めします。
 
2019年10月23日 09:35

VOL.49 コールセンターCRMデモ&カン2019(東京)&実践講座の紹介

2019 CRMコールセンター運営コールセンター
来月11月13日(水)・14日(木)にコールセンター業界の最大イベントである「コールセンターCRMデモ&カンファレンス」が東京のサンシャインシティで開催されます。
変化と進化の激しいコールセンター業界のシステム最新トレンドである、チャット(ボット)・音声認識・AIから、CX(カスタマーエキスペリエンス)・カスタマーサクセスなど各社の最新の運用事例に触れられる非常に貴重な機会です。是非、コールセンターの運用課題に日々頭を悩ませている、こんなシステムがあったらいいなぁと考えている方は一度足を運んでいただくと目から鱗のような気づきを得られると思います。
詳細はここを参照!

私も11月12(火)と13日(水)の2日間は実践講座の講師として登壇します。この実践講座は開始から15年以上経ちますが、初回から15年間以上連続して登壇し続けています。特になり立てのSV,マネージャーの方で専門的な知識・know-howを学びたい方にはお勧めです。

11月12日(火)は「基礎から学ぶKPIマネジメント実践編」

詳細はここを参照!
 
【こんな方にお勧め】
・KPI管理は敷居の高いものだと思って、少し避けてきた(分かり易く教えて欲しい)
・KPIは重要だと思っているが、専門的な事を学ばずに現在に至ってしまった
・日々の運営課題に頭を悩ませているが、解決の糸口が見えない
・本当はKPIを活用して「離職率の改善」や「処理時間の削減」などを実現したいと思っている

【概要】
  • KPIの基礎知識・基礎理解
  • KPIで紐解くコール予測のプロセス(アーランC式による計算手法)
  • シックスシグマを使ったAHTを短縮させる実践プロセス
  • 離職率を低減させるKPIの効果的な活用法
  • レポート読み取り演習問題―初級編・中級編・上級編
  • 総合理解度テストの実施(点数は自分限りの非公表ですので、安心して下さい)

11月13日(水)は「コールセンター運営の基本知識とマネジメント入門講座」

詳細はここを参照
 
【こんな方にお勧め】
・コールセンターのSVやマネジャーなどになって1年未満でまだ右往左往している
・コールセンター管理経験はあるが、専門的な事を学ばずに現在に至ってしまった
・他社のSV,管理職とも話をして、他社事例に触れてみたい(自社との比較をしてみたい)
 
【概要】
1.経営に認められるコンタクトセンターの創り方のポイント
2.コールセンターの主要KPIの考察と演習問題を通した分析力の向上
 ・業務量予測、要員配置の考え方(アーランC計算式の意義と活用法)
 ・応答率、稼働率、CPCなど主要KPIの管理・運用方法の深掘り
3.コールセンターの最新トレンド
 ・チャットの効果的な使い方
 ・AIのコールセンターにおける現在地
 ・CX(カスタマーエクリスペリエンス)の概念。CSとの違いについて
4.組織課題・特に離職率を低減させていく効果的なアプローチ手法
◇演習・グループワーク
5.稼働率最適化ワーク、CPC計算ワーク、人材定着化ワークなど
6.総合理解度テストの実施(点数は自分限りの非公表です)
 
私の研修の基本コンセプトはとにかく実践力を身につける事です。
単純にコールセンターの専門用語、最新トレンドを講義するだけでは、実践力は身につきません。
コールセンターの現場で皆さんが困っている事は、「新人がどんどん辞めていく」、「生産性が一向に上がらない」、「常に繁忙状態で待ち呼の管理ができない」など、一筋縄では解決しない問題ばかりです。このような課題を解決していくにはコールセンターの専門用語を知っているだけでは解決しません。KPIデータの分析力も必要ですが、想定された課題に対して、仮説・分析・解決案の考察などのケーススタディを一つでも多く経験していくことです。私の実施する研修では、ネット上に掲載されている表面的な解決手段では無く、私が過去30年にも及ぶ経験と実践の中から身に着けた解決手法を論理的かつわかりやすく伝える内容になっています。
 
過去に「コールセンターマネジメント講座の実践編」、「KPIマネジメント!100本ノック研修」を受講された方でも、今回の内容はよりバージョンアップして大幅にリニュアルをかけていますので、再受講しても参考になります。
また、部下や同僚の方への受講推奨でも大歓迎ですので、宜しくお願いします。
 
2019年10月14日 17:35

Vol.48 獲得系人材発掘 ~ソーシャルスタイル理論と採用・配置戦略~ その3

ソーシャルスタイル 十字分析

前回に引き続きアウトバンドの一番の肝である、獲得率・定期引き上げ率向上のための重要な要素について書いていきます。

 

前回は重要な3つめの要素の「対応オペレーターのマッチ率」について、ソーシャルスタイル理論を活用した獲得系人材の発掘について書きました。ある程度精度の高いトークスクリプト・反駁トーク集・FAQなどそろっている場合、最終的な獲得率の差は「人材=オペレーターのコミュニケーションタイプ」に起因していると説明しました。その人材の見極めとしてご紹介した「ソーシャルスタイル理論」。今回はその理論の概略について説明します。多分、このブログを読むと、「なるほど!人材のコミュニケーションタイプによって獲得率に差が生じるのもうなずける」と気付くはずです。

 

冒頭のスライドをご覧下さい。前回の38項目のアンケートに答えることでX軸とY軸の交点の数値が計算されその場所によって4つのタイプ(詳細には21のスタイル)に分類されます。ソーシャルスタイル理論では、X軸:支配性の軸、Y軸:感情開放性の軸としてその度合いが示されます。すなわち、X軸の支配性が高いという事は、相手をコントールしようという気性が強く自分の世界に引き込みやすい傾向があります。Y軸の感情開放性が高いという事は、社交的で誰とでも話しをする事を楽しみ、感情表現が豊かである傾向が強いことを表しています。

前回、ずばり獲得系人材は「説得型」に多いと書きましたが、支配性も感情開放性も両方高い「説得型」の特徴として・社交的で話術に長けている ・積極的で行動的 ・細かい事にはくよくよしない ・賞賛や報償に敏感に反応する という特徴が挙げられます。まさに、アウトバウンドでもインバウンドでも獲得系人材に求められる要素を持っているのが「説得型」の人材ということになります。しかし、「説得型」人材が全てにおいて最適かというと、課題のある特徴も持っています。それは、「飽きやすい」、「気分屋さん」という側面も持っている事が多く、単調な作業やオペレーションが続くと突然「新しい事にチャレンジしたくなったので、辞めます!」と切り出される事もしばしばあります。そういう意味では毎日の架電・受電業務にも変化や刺激を与える工夫やインセンティブ制度もゲーム性を取り入れたりの工夫が必要だったりします。(逆に支配性の低い「相談型」、「分析型」タイプは比較的我慢強い性質を持っていると言われていますので、仲間内でコミュニティが形成されていると業務は比較的長続きします)

 

最後にこのソーシャルスタイル理論・分析をコールセンターの採用・配置に活用するのも意外に効果的です。多くのセンターでは面接だけで採用を決めているケースが多いと思いますが、今回紹介しましたソーシャルスタイル理論・分析を行うだけで、今までとは違った角度からの人材の見極めができると思います。私の経験上、上記に書いたように獲得系人材には「説得型」タイプが入社後高い成果を出していましたし、テクニカルサポート系人材には「分析型」タイプが適しています。その理由としては、「分析型」タイプは物事を感情や思いつきで処理するのでは無く、問題を論理的に切り分けていく性格が強いので、PCサポートのように環境や問題の切り分け、どのような場面でどのような処理をしてエラーになったのか? そしてその解決手段も手順を追って説明する事が得意なタイプです。最後に「指導型」について簡単に解説しますと、オペレーターとしては優秀な層が多いですが、指導型傾向が強すぎると現場のオピニオンリーダーとして管理者側に対峙する事もしばしばあります。トラブルメーカーとしての側面も持ちますが、一方で将来のSVはこの指導型から輩出される可能性も高い層です。

 採用配置前略

この「ソーシャルスタイル理論」を活用した獲得系人材の採用と配置戦略の見直しで、全体の獲得率が10%以上向上した事例もあります。この理論を私がコールセンター向けバージョンに新しく編集しました「ソーシャルスタイル分析研修」と「スタイル分析診断ツール」:アンケート記入から人を4つのタイプ(21のスタイル)に分析する計算ツールも一緒に提供しています。獲得率の向上や引き上げ率の向上、チームの採用から再配置を考えている方は是非一度お問い合わせ下さい。

(ここをクリック↓)よりお問い合わせいただければ直接御社に訪問して、詳細な説明・効果的な活用法・売上効果実例を説明します。

2019年09月21日 14:55

Vol.47 獲得系人材発掘 ~ソーシャルスタイル理論:獲得率の向上施策~ その2

2ソーシャルスタイル分析

前回に引き続きアウトバンドの一番の肝である、獲得率・定期引き上げ率向上のための重要な要素について書いていきます。

 

前回、アウトバウンドの獲得率を上げていくための要素として下記の2つを挙げました

1.       リストの精度

2.       トークスクリプトの精度

3.       対応オペレーターのマッチ率

 

特に2番目のトークスクリプトの精度に関しては前回の掲載資料でも説明しているように「トークスクリプトの基本ステップ」をきちんと運用している場合としていない場合での成果の差は歴然とでてきます。業務上の社外秘情報として詳しく説明しなかった、「会話の解析」と「成功モデルの構築」。こちらにご興味のある方は是非個別にご相談下さい。

 

今回は3つ目の要素の「対応オペレーターのマッチ率」について書いていきます。

アウトバウンドでの獲得率やインバウンドでのクロスセル率などを競っているセンターでは多分同じ状況だと思いますが、獲得率の高いオペレーターは安定的に高い成果を継続していて、獲得率が上がらないオペレーターはある程度特定のグループだったりしませんか?私の経験上ではトークスクリプトの完成度がある程度高い場合は、最後に数字が残せるかどうかは「人材=オペレーターのコミュニケーションタイプ」に起因していると考えています。その人材の見極めとして私が長く活用していた手法が「ソーシャルスタイル理論」です。社内研修などで人のコミュニケーションスタイルを4つに分類「説得型」、「指導型」、「相談型」、「分析型」(他に、ドライビング、エクスプレッシプ、エミアブル、アナリティカルの区分け方もあります)このような研修や理論を聞いたことは無いでしょうか?

 

ソーシャルスタイル理論とは、効果的なコミュニケーションを行うための手法として、多くの企業で取り入れられているコミュニケーション理論です。特に営業職や販売スタッフなどの顧客と直接関わる職業は、ソーシャルスタイル理論を理解することで、人々がある程度の緊張が伴う場面でどのようにふるまうのかに着目して分析を行い、その分析結果を採用や配置に活用しています。

ソーシャルスタイル理論によると、人はふるまい方や物事の考え方、意思決定の仕方に好みがあり、好みの傾向から大きく4つのソーシャルスタイルに分類されます。

冒頭のスライドをご覧下さい。左側の38項目のアンケートに答えることで右の4つのタイプ(詳細には21のスタイル)に分類されます。

どのスタイルに属するかでその人のコミュニケーションスタイルが分かりますが、ずばり獲得系人材は「説得型」に属する場合が多いです。その理由として説得型というのは、対人関係上社交的でオープンなコミュニケーションを行います。想像力や話術に長けており、また報償や賞賛に敏感なタイプと言われています。(それ以外の型の特徴は冒頭のスライドをご覧下さい)

「人と話をするのが好き」、「話術に長けている」、「くよくよしない(クレームも聞き流す)」、「インセンティブなど報償に敏感」、「褒められると更にやる気になる」・・・・このように説得型は獲得系人材としては貴重な人材です。

オペレーター分布 

上記のオペレーター分布図は実際に私が運用していた時のオペレーター分布ですが、黒い★印がアウトバウンドのオペレーター、赤い印がテクニカルサポートのオペレーターです。黒い★印が説得型中心に集まっている様子がわかると思います。また注目なのは○で囲っている左上の2つの★ですが、この2人が常に獲得率のトップの座を入れ変わり競っていました。四隅の角に近いほどその傾向値が高いのですが、見事に説得型傾向の強い2人が獲得率でもワン、ツーの座を競っていたという事実があります。

 

この「ソーシャルスタイル理論」を活用した獲得系人材の採用と配置戦略の見直しで、全体の獲得率が10%以上向上した事例も沢山あります。(年間獲得売上:1億円でも1千万以上の売上UPに貢献)この理論を私がコールセンター向けバージョンに新しく編集しました「CC向けソーシャルスタイル分析研修」と「スタイル分析ツール」-アンケート記入から人を4つのタイプ(21のスタイル)に分析するツールも一緒に提供しています。獲得率の向上や引き上げ率の向上、チームの採用から再配置を考えている方は是非一度お問い合わせ下さい。
(ここをクリック↓)よりお問い合わせいただければ直接御社に訪問して、詳細な説明・効果的な活用法・売上効果実例を説明します。

 

次回もソーシャルスタイル理論からの採用・配置戦略についてブログで詳しく説明します。

 

2019年09月16日 10:30

Vol.46 アウトバウンド講座 ~獲得率の向上施策~その1

トークスクリプの効果的な作成手法

こんにちは、さつき先生です。

今までは主にインバウンド中心のブログばかりでしたが、実はアウトバウン構築経験も運営マネジメントも、獲得率向上に関するコンサルタントもしています。最近は通販系コールセンター業務の獲得率、定期引き上げ率の向上を目的としたアセスメント・獲得率向上の再構築案件が増えてきています。今回から3回に分けましてシリーズでアウトバンドの一番の肝である、獲得率・定期引き上げ率向上のための重要な要素について書いていきます。

 

アウトバウンドの獲得率を上げていくための要素として大きく3つが挙げられます。

1.       リストの精度

2.       トークスクリプトの精度

3.       対応オペレーターのマッチ率

 

一昔前までは、アウトバウンド格言として「1にリスト、2にリスト、3.4が無くて5に人材」と言われてきました。当たり前ですが、発信するリストの精度(例えば電話帳からランダムに引っ張ってきた精度の低いリストなのか、ある程度ターゲットを絞ってしっかりとセグメントされたリストなのか)、それこそ投資用マンションの販売説明会に誘う架電をする場合、前もって年齢や年収・投資歴などによってセグメントされているリストであれば有効ですが、電話帳から引っ張ってきたリストに片っ端から架電しても時間を浪費するだけです。そういう意味ではまず第1にリストの精度が問われるのは今更言うまでもありません。

 

では、2番目のトークスクリプトの精度に関してはどうでしょうか?

ここは大きく獲得率に影響を与える非常に重要な要素です。

(少し不適切な例ですが)今年、海外で大規模なオレオレ詐欺グループが逮捕されましたが、その際に大量の内部資料も押収されその一部が公開されました。ネットでその資料の一部を見ましたが、トークスクリプト集や反駁トーク集(ネガティブな質問に対するポジティブトークの返し)、その他マニュアル類が専門のテレマ・アウトソーサー並みに用意周到に準備され、また徹底的な訓練がされていたそうです。一部の情報ではこれらオレオレ詐欺を開始するためのマニュアル一式が数千万で取引されているとか、ないとか?

一方で電話の会話とストーリー建てだけで何億円というお金をだまし取るテクニックはトークスクリプトとアウトバウンド架電における重要な要素を熟知しているとも言えます。

私は少なからずこのグループの誰かが過去にコールセンターのアウトバウンド知識・経験を駆使して、それが今のマニュアルのベースになっているように思います。

 トークスクリプの効果的な作成手法2

さて話をトークスクリプトの精度に戻すと、冒頭に掲載している資料のような「トークスクリプトの基本ステップ」をきちんと運用している場合は、一定の成果がでると思います。

この冒頭の基本ステップは、私がアウトバウンドの獲得率、定期引き上げ率を向上させる際にまず行う作業です。この基本ステップに沿ってどのような準備と実施後の見直しを行うかの詳細は、ここは業務上の社外秘情報になるので詳しくは書けませんが、キーワードは「会話の解析」と「成功モデルの構築」いう事です。会話の解析の仕方によって大きく成功トークと失敗トークに分かれていきます。

 

最近の事例では、某健康食品のキャンペーン商品の購入でお電話を頂いた際に、定期コースに引き上げるトークですが、目標引き上げ率:60%に対して、当初50%前後と苦戦していましたが、上記の「会話の解析」と「成功モデルの構築」からてこ入れを行い、わずか2週間の間に引き上げ率:70%まで改善した事例があります。一度コツを掴んでしまうと、後は経験を増す毎に洗練されていきます。

是非、アウトバウンドの獲得架電コールでもインバウンドのクロスセルの場合でも有効なトークスクリプトの基本ステップの見直しは定期的に実施したいものです。

次回は、3つ目の要素の「対応オペレーターのマッチ率」について書きたいと思います。

 

2019年09月03日 09:15

Vol.45 実践講座(大阪)の振り返り 最終回 ~離職率改善の考察について~

辞めさせない施策一覧
大阪で実施されたコールセンターデモ&カンファレンスの実践講座の振り返り講座の最終回です。最終回のテーマは「コールセンターの離職率改善の考察」です。
 
一昔前までは年間離職率目標:20%以内が標準目標と言われていましたが、現在では年間離職率:20%以下なら優秀なコールセンターと言われるようになってきました。オペレーターの年間離職率が50%を超えているセンターも当たり前の状況です。今後の日本の少子高齢化やコールセンター業務が不人気職種として取りざたされ採用にも苦戦している昨今ですので、一層離職防止には経営層・管理職層一丸となって取り組むべき必要があります。
 
冒頭のグラフをご覧下さい。リックテレコム社から発刊されている「コールセンター白書2018」からの引用ですが、離職予防施策とし「実施した」の最も多いのが「表彰制度」で44%を占めてます。大手金融機関ではグループ全体でオペレーターの応対コンテストを実施している事例も多くありますが、モチベーションアップ施策としては最も実施しやすい施策と捉えているようです。応対品質以外でも、皆勤賞・模範となる処理効率精度・効果的な改善施策提案などを表彰するコールセンターも多いと思いますので、「表彰制度」は手軽に実施でき、かつ効果が見込める施策と思います。
 次に多いのが「研修など人材教育プログラムを充実させた」が35.3%、「業務に対する評価とフィードバックを強化した」が31%と人材教育を離職予防としている傾向は強いようです。これも、コールセンターのオペレーターではキャリア形成にならない、やっつけ仕事のように思われているので、研修・人材教育は重要なキーワードだと思います。ある調査機関の結果ですが、その会社で仕事を続けるモチベーションとして、当然「給与水準」というのは大きな要素ですが、結構高い割合だったのが「その職場が学べる環境にあるかどうか」という結果もあるようです。しっかりと学べる環境を整えるのも、今後のコールセンター運営の勘所だと思います。
 

離職率の低減・モチベーション向上施策について

下記の資料は私の実践講座で説明している「離職率対策の考察」の資料です。
離職対策 階層

離職対策施策
この資料のポイントは、離職の対策の階層を全体では無く、①:「採用時・新人期間」、②:1年経過した社員、③:2年以降の中堅社員、④:3年以上のSV含めたベテラン社員の4階層に分けて整理している点です。もちろん圧倒的に離職率が悪いのが入社後3ヶ月以内の新人ですが、中堅でもベテランでも一定数は離職していきます。離職のダメージも新人よりも、2年、3年と仕事も覚えて、処理効率の高い中堅・ベテランさんが辞めていく方が現場としては深刻です。
 
離職改善の対策として上記のような「表彰制度」や「研修制度の充実」は重要ですが、全ての階層にヒットするかというと難しい場合があります。
そういう意味では、特に入社後90日間においては「心のケア」に重点を置いた施策、ある程度1年経過した社員には「研修制度・更なる専門知識を習得できる環境作り」、2年間継続して頑張ってきた社員には「評価制度・昇格制度・インセンティブ制度」など目に見えて自分の頑張り度合いを実感できる制度の運用強化、SVやベテラン社員に対しては「キャリアパスの充実・正社員への登用ステップ」などこの先の見通しを示してあげる必要があります。私の経験ではある程度中堅・ベテラン社員を社外の研修プログラムに参加させてあげて社外交流の機会を与えてあげると、再度モチベーション向上してやる気になる傾向があります。一律の運用では無く、階層毎の状況に応じた対応というのがキー-ワードと思います。
 
最後に、何から手を付けていいかわからないセンターや、今回の離職予防施策のほとんどをやっているが、あまり効果が上がらないと悩んでいるセンターも少なくないと思います。コールセンターは肉体的負荷よりも、精神的負荷の高い仕事です。もしかすると目に見える施策そのものよりも、目に見えないメンタルケアに向けた「面談・フィードバック・コミュニティ作り・癒やしの空間」などが離職予防の特効薬になる場合もあります。何がそのセンターにとって一番有効な離職対策なのかは、置かれている環境や状況によって違います。
 
まずは、社員の声を聞くという意味では「従業員満足度調査:ES調査」が一番の近道だと思います。不満ばかりしか声が上がらないと思われがちですが、やはりそこは「社員の生の声」ですので、この声に真摯に向き合う姿勢から始めるのが王道と思います。
 
2019年08月19日 12:43

Vol.44 実践講座(大阪)の振り返り その4 ~稼働率の管理について~

稼働率の数値
前回に引き続き、5月に大阪で実施されたコールセンターデモ&カンファレンスの実践講座の振り返り講座を再開します。今回のテーマは「コールセンターの稼働率」です。
 
毎年、公開研修で100人を超える受講生を対象にコールセンター研修をしていますが、受講生に聞いてみると稼働率のKPIをきちんとデータとして分析・管理しているコールセンターは約20%という印象です。現場オペレーターの生産性・疲弊度を計る「稼働率」に関してはあまり重要視されていない気がします。
 
コールセンターの総経費で人件費は70%~80%を占めると言われていますので、本来はもっと現場の稼働率にも目を向ける必要があると思います。
ただし、重要なポイントですが稼働率を管理指標とする場合は、オペレーター席数が少なくとも30席以上、できれば50席以上の場合にお勧めします
20席以下など少ない席数のセンターでは、稼働率を安定させるのが難しいため、時間単位のバラツキが大きく安定的に管理するのは困難だからです。
一般的には稼働率の目標数値を80%~85%に置くのが最適値だと言われています。恒常的に85%を超えてくると注意が必要なイエローライン、常に90%を超えているようであればレッドライン:危険信号になっていると言われています。常に90%を超える稼働率状態であれば、現場のオペレーターは精神的にも肉体的にも疲弊しており、バーンアウト現象(燃え尽き症候群)を引き起こし離職に繋がると言われます。


コールセンターのオペレーターは、朝出勤してシステムにログインしてから、業務終了のログアウトするまで、全ての時間がガラス張りで管理されるようにストレスの高い労働環境です。適度に休憩時間でリフレッシュするとか、モニタリングのフィードバックや勉強会などで離席しての品質向上のための時間も必要です。
毎日100%近い稼働率で(電話+後処理時間+その他ワーク)を消費されているとすると、2か月目には燃え尽き症候群で多分そのセンターのかなりの割合のオペレーターは退職しているか、病欠が頻繁に発生して現場が安定しないでしょう。
 
一方で稼働率の計算式の理解も意外に知られていませんので、ここで整理しておきます。
稼働率には実は2種類の計算式で示されることを知っているでしょうか?
 
稼働率①センター全体のログイン時間から離席時間を差し引いた時間の中で電話業務に従事していた時間の割合。
稼働率②:分母をセンター全体の総ログイン時間とし離席時間を差し引かないケース。
2つの稼働率計算式
 稼働率①と②の活用法には違いがあります。稼働率①は主にオペレーターの疲弊度とサービスレベルを計る上で使用される事が多いですが、稼働率②は離席時間も含め総労働時間に占める稼働割合に焦点を置いて、経営指標としてセンター全体の効率性に着目して使用されます。一般的には稼働率①の数値をもって現場の疲弊度・繁忙度の指標にしている場合がほとんどです。しかし、経営視点で見た場合、人件費として経費がかかっているのは、電話中も離席時間も同じと考えれば稼働率②を持ってセンター全体の生産性指標とする場合もあります。
 
また、コールセンターでは朝出勤してきてシステムにログインし、業務終了する時にログアウトをすると思いますが、皆さんのセンターでは、お昼時間はどうしているでしょうか?
お昼休憩として離席状態にしているセンターもあれば、ログアウトしているセンターもあると思います。どちらも運用上統一されていれば問題無いと思いますが、オペレーターが有期雇用社員で構成されていれば「お昼休憩=ログアウトすべき!」というのが私の考えです。なぜならば、コールセンターのオペレーターは有期雇用の派遣・契約社員で構成されている場合が多く、契約上「お昼休憩=無休扱い」としている場合が多いからです。
要するに、お昼休憩は経費が発生していない(極端に言うとセンター稼働のために存在していない時間)ため稼働率の計算式に含めるのは好ましくないと考えています。
「お昼時間=離席扱い」している場合は、ログイン時間の管理をもう一度見直してみるのも良いと思います。
 
2019年07月24日 04:04
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