Vol.46 アウトバウンド講座 ~獲得率の向上施策~その1
こんにちは、さつき先生です。
今までは主にインバウンド中心のブログばかりでしたが、実はアウトバウン構築経験も運営マネジメントも、獲得率向上に関するコンサルタントもしています。最近は通販系コールセンター業務の獲得率、定期引き上げ率の向上を目的としたアセスメント・獲得率向上の再構築案件が増えてきています。今回から3回に分けましてシリーズでアウトバンドの一番の肝である、獲得率・定期引き上げ率向上のための重要な要素について書いていきます。
アウトバウンドの獲得率を上げていくための要素として大きく3つが挙げられます。
1. リストの精度
2. トークスクリプトの精度
3. 対応オペレーターのマッチ率
一昔前までは、アウトバウンド格言として「1にリスト、2にリスト、3.4が無くて5に人材」と言われてきました。当たり前ですが、発信するリストの精度(例えば電話帳からランダムに引っ張ってきた精度の低いリストなのか、ある程度ターゲットを絞ってしっかりとセグメントされたリストなのか)、それこそ投資用マンションの販売説明会に誘う架電をする場合、前もって年齢や年収・投資歴などによってセグメントされているリストであれば有効ですが、電話帳から引っ張ってきたリストに片っ端から架電しても時間を浪費するだけです。そういう意味ではまず第1にリストの精度が問われるのは今更言うまでもありません。
では、2番目のトークスクリプトの精度に関してはどうでしょうか?
ここは大きく獲得率に影響を与える非常に重要な要素です。
(少し不適切な例ですが)今年、海外で大規模なオレオレ詐欺グループが逮捕されましたが、その際に大量の内部資料も押収されその一部が公開されました。ネットでその資料の一部を見ましたが、トークスクリプト集や反駁トーク集(ネガティブな質問に対するポジティブトークの返し)、その他マニュアル類が専門のテレマ・アウトソーサー並みに用意周到に準備され、また徹底的な訓練がされていたそうです。一部の情報ではこれらオレオレ詐欺を開始するためのマニュアル一式が数千万で取引されているとか、ないとか?
一方で電話の会話とストーリー建てだけで何億円というお金をだまし取るテクニックはトークスクリプトとアウトバウンド架電における重要な要素を熟知しているとも言えます。
私は少なからずこのグループの誰かが過去にコールセンターのアウトバウンド知識・経験を駆使して、それが今のマニュアルのベースになっているように思います。
さて話をトークスクリプトの精度に戻すと、冒頭に掲載している資料のような「トークスクリプトの基本ステップ」をきちんと運用している場合は、一定の成果がでると思います。
この冒頭の基本ステップは、私がアウトバウンドの獲得率、定期引き上げ率を向上させる際にまず行う作業です。この基本ステップに沿ってどのような準備と実施後の見直しを行うかの詳細は、ここは業務上の社外秘情報になるので詳しくは書けませんが、キーワードは「会話の解析」と「成功モデルの構築」いう事です。会話の解析の仕方によって大きく成功トークと失敗トークに分かれていきます。
最近の事例では、某健康食品のキャンペーン商品の購入でお電話を頂いた際に、定期コースに引き上げるトークですが、目標引き上げ率:60%に対して、当初50%前後と苦戦していましたが、上記の「会話の解析」と「成功モデルの構築」からてこ入れを行い、わずか2週間の間に引き上げ率:70%まで改善した事例があります。一度コツを掴んでしまうと、後は経験を増す毎に洗練されていきます。
是非、アウトバウンドの獲得架電コールでもインバウンドのクロスセルの場合でも有効なトークスクリプトの基本ステップの見直しは定期的に実施したいものです。
次回は、3つ目の要素の「対応オペレーターのマッチ率」について書きたいと思います。