Vol.48 獲得系人材発掘 ~ソーシャルスタイル理論と採用・配置戦略~ その3
前回に引き続きアウトバンドの一番の肝である、獲得率・定期引き上げ率向上のための重要な要素について書いていきます。
前回は重要な3つめの要素の「対応オペレーターのマッチ率」について、ソーシャルスタイル理論を活用した獲得系人材の発掘について書きました。ある程度精度の高いトークスクリプト・反駁トーク集・FAQなどそろっている場合、最終的な獲得率の差は「人材=オペレーターのコミュニケーションタイプ」に起因していると説明しました。その人材の見極めとしてご紹介した「ソーシャルスタイル理論」。今回はその理論の概略について説明します。多分、このブログを読むと、「なるほど!人材のコミュニケーションタイプによって獲得率に差が生じるのもうなずける」と気付くはずです。
冒頭のスライドをご覧下さい。前回の38項目のアンケートに答えることでX軸とY軸の交点の数値が計算されその場所によって4つのタイプ(詳細には21のスタイル)に分類されます。ソーシャルスタイル理論では、X軸:支配性の軸、Y軸:感情開放性の軸としてその度合いが示されます。すなわち、X軸の支配性が高いという事は、相手をコントールしようという気性が強く自分の世界に引き込みやすい傾向があります。Y軸の感情開放性が高いという事は、社交的で誰とでも話しをする事を楽しみ、感情表現が豊かである傾向が強いことを表しています。
前回、ずばり獲得系人材は「説得型」に多いと書きましたが、支配性も感情開放性も両方高い「説得型」の特徴として・社交的で話術に長けている ・積極的で行動的 ・細かい事にはくよくよしない ・賞賛や報償に敏感に反応する という特徴が挙げられます。まさに、アウトバウンドでもインバウンドでも獲得系人材に求められる要素を持っているのが「説得型」の人材ということになります。しかし、「説得型」人材が全てにおいて最適かというと、課題のある特徴も持っています。それは、「飽きやすい」、「気分屋さん」という側面も持っている事が多く、単調な作業やオペレーションが続くと突然「新しい事にチャレンジしたくなったので、辞めます!」と切り出される事もしばしばあります。そういう意味では毎日の架電・受電業務にも変化や刺激を与える工夫やインセンティブ制度もゲーム性を取り入れたりの工夫が必要だったりします。(逆に支配性の低い「相談型」、「分析型」タイプは比較的我慢強い性質を持っていると言われていますので、仲間内でコミュニティが形成されていると業務は比較的長続きします)
最後にこのソーシャルスタイル理論・分析をコールセンターの採用・配置に活用するのも意外に効果的です。多くのセンターでは面接だけで採用を決めているケースが多いと思いますが、今回紹介しましたソーシャルスタイル理論・分析を行うだけで、今までとは違った角度からの人材の見極めができると思います。私の経験上、上記に書いたように獲得系人材には「説得型」タイプが入社後高い成果を出していましたし、テクニカルサポート系人材には「分析型」タイプが適しています。その理由としては、「分析型」タイプは物事を感情や思いつきで処理するのでは無く、問題を論理的に切り分けていく性格が強いので、PCサポートのように環境や問題の切り分け、どのような場面でどのような処理をしてエラーになったのか? そしてその解決手段も手順を追って説明する事が得意なタイプです。最後に「指導型」について簡単に解説しますと、オペレーターとしては優秀な層が多いですが、指導型傾向が強すぎると現場のオピニオンリーダーとして管理者側に対峙する事もしばしばあります。トラブルメーカーとしての側面も持ちますが、一方で将来のSVはこの指導型から輩出される可能性も高い層です。
この「ソーシャルスタイル理論」を活用した獲得系人材の採用と配置戦略の見直しで、全体の獲得率が10%以上向上した事例もあります。この理論を私がコールセンター向けバージョンに新しく編集しました「ソーシャルスタイル分析研修」と「スタイル分析診断ツール」:アンケート記入から人を4つのタイプ(21のスタイル)に分析する計算ツールも一緒に提供しています。獲得率の向上や引き上げ率の向上、チームの採用から再配置を考えている方は是非一度お問い合わせ下さい。
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