VOL.11 コールセンターの離職率の考察 <その3>
こんにちは!「さつき先生」です。
前回は、離職率のオーソドックスな計算方法について説明しました。
コールセンターの離職率悪化問題ですが、最近では年間離職率が20%以下であれば、問題無し、むしろ良いとされる状況だと思います。
しかし、往々にして離職率が悪いコールセンターに限って、正確に離職率の数値や状況の推移を計っていないようです。管理者の皆さんが手の付けられない状況に諦めているのもかもしれませんし、
「辞める奴は辞めれば良い!こんなもんだろう!」と高をくくっているのかもしれません。
しかし、今後、中長期目線で見た場合には少子高齢化の弊は確実に採用難という形で現れてきます。(既にその状況を実感しているコールセンターもあるはずです)
また、景気の波とも相関関係があるとも言われ、景気が悪く・失業率が悪化すると、採用しやすくなるのが飲食業とコールセンターのオペレーターで。
逆に、景気が好転して、失業率が改善してくると、採用難に陥るのが飲食業とコールセンターのオペレーターと言われます。
そういう意味では、ここ最近は労働生産年齢層の減少と日本経済が好調との背景もあり、採用が売り手市場になっていますので、一層の採用難に陥っていると思います。
ですから、一層、一度採用した社員はなるべく辞めさせない努力をしないといけません。
そういう意味では、冒頭の図に示されているように、きちんと、
①:採用フェーズ、②:研修フェーズ、③:現場デビュー後3ヶ月以内、④:6ヶ月以上経過の4つのフェーズのどこに問題があって、どのような対策を打つのかを
きちんと分析して実施策を実行しなくてはいけません。
前回も書きましたが、どこのコールセンターでも共通しているのが、現場デビュー後3ヶ月以内の離職では無いでしょうか?
現場デビュー後の3ヶ月間に面談やフィードバックを行っていない場合は、間違い無く相当な新人が離職するリスクがあるでしょう!
前回Vol.10の冒頭のグラフのように採用月を起点としての離職の推移を見ていくとわかりやすいです。このグラフの場合、各月の採用者の離職が3ヶ月目に悪化している傾向が見えると
思いますので、この場合、3ヶ月目に入る事前対策の強化(メンタルフォロー・フォロアップ研修・面談の回数を増やすなど)が必要になってきますので、
どのタイミングで実施すると効果的を知る上でも参考になるグラフです。
ただ単に、現状の離職の悪化に指をくわえて見ているのか、それとも抜本的な改善のために全体を俯瞰して取り組むのかによって、この問題の方向性は変ってきます。
是非とも、コールセンターだけでは無く会社全体を上げて、この離職率問題には取り組んでもらいたいと思います。