Vol.41 CRMデモカン(大阪)実践講座の振り返り その1 ~離職率の計算式の考察~
まず、上記の1月~6月末までの6ヶ月間経過した時点のコールセンターの離職率は何%だと思いますか? ちょっと電卓で計算してみて下さい。
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ただ、離職率の計算方法というのも、絶対的な公式が存在しなく、会社によって多種多様な方法を取られているようです。(ネットで離職率の計算式について調べてみた結果です)
●ケースA
「起算日(年度初め)から1年間の離職者数÷起算日における在籍者数×100」・100名の企業で、起算日までに年間10名が退職。在籍者数が90名となった場合(その間に新たに採用した人数は除く)
⇒10名÷90名×100=離職率約11%
●ケースB
「起算日(年度初め)から1年間の離職者数÷起算日から積算された在籍者数×100」・100名の企業で、起算日までに年間10名が退職。在籍者数が90名となった場合(その間に新たに採用した人数10名を含む場合)
⇒10名÷(100名+10名)×100=離職率約9%
●ケースC
「新卒社員が3年以内に離職した割合」・100名の企業で、10名の新卒社員を採用。3年以内に5名が退職した場合
⇒5名÷10名×100=離職率50% (新卒の3年以内離職率)
私の経験上はケースBで計算する事が多かったです。分母の人数は起算日(年度初め)に期間内に採用した人数、分子は期間内に退職した人数(会社都合+自己都合)
そのため上記のコールセンターの年度初めの1月の期初の在籍人数が100人だとすると、1月は入社:10人、退社:5人なので、2月の月初在籍数は105人になります。同じように入社人数を足して、退社人数を差し引くと、順次マトリクスの数字になります。
このコールセンターの1月を起算日として6月までの人数が100人+30人(入社数)=130人。また、退社(離職数)の人数は1月~6月まで合計で25人になります。
よって、このコールセンターの6ヶ月間の離職率は、25/130×100%=19.23%となると思います。
更に細かく、例えば業務を委託している先(アウトソース)の離職率を深掘るのであれば、もう少し細かく数字を取っても良いかもしれません。
① 募集人数→② 合格数→③ 入社(着任)数→④デビュー数→⑤戦力化数
※デビュー直後に離職し、本来、ほしい時期に頭数がそろっていない・・ということが課題になりますので、例えば戦力化数=3ヶ月目と設定し、着任から3ヶ月のどこの期間で離職が多いかなどの推移を見るのも方法の一つです。なお、6ヶ月目以降になってくると本人の問題だけでなく、家庭事情(介護問題・健康問題など)によるいたしかたない離職や期間限定による契約満了での離職などがまじってきますので、現時点では特に入社から4~5ヶ月目までをWATCHすると良いと思います。
前半にも述べましたように、離職率の計算方法は様々であり、各社での計算式も異なるというのが実態のようですが、重要な点は毎月・毎月きちんと統計結果を取って、「離職の見える化」を行っていく事だと思います。直近6ヶ月の傾向は? 1年の傾向は? 前年同時期と比較してどうなのか? など、まずは現状把握を行なわないと、対策を行う事も難しくなります。
コールセンターにおける離職問題が社会問題化している昨今ですが、まずは、自社のコールセンターの離職率・傾向値をしっかり把握する事から始める事をお勧めします。
2019年06月03日 09:00