Vol.90 「コールセンター白書2020」導入(予定)のITソリューションは?<その4>
今回は毎年定点観測として同じ質問をしている「導入済(予定)のITソリューションは?」はですが、これもコロナ禍の影響を如実に反映した結果になっています。導入済ITソリューションの前年比の伸び率としては「チャネル統合型ソリューション」・「チャットボット」が一番の上昇率になっています。また、今後導入予定のITソリューションでも「チャットボット」が一番高い割合、次に「(有人)チャットシステム」、「音声認識系ソリューション」が続きますが、有人から無人の自己解決率の向上・在宅でもサポートできる遠隔サポート機能・ナレッジサポートで現場の負荷軽減を図っていこうという意図が読み取れます。ここ数年の傾向として有人チャット・チャットボット・音声認識系ソリューションの人気は定着していますが、今年はその人気に一気に拍車がかかった結果だと思います。このブログでも再三に渡り取り上げていますが、昨今のコールセンターを取り巻く環境変化・コロナ禍で3密を防ぐ施策として、FAQ/チャットボット業務設計に欠かせないナレッジマネージメント力の強化・デジタル化の波は避けては通れない状況です。
しかし、各コールセンターの人気とは裏腹に、お客様目線で言うと、実に「使えないチャットボットが氾濫している!?」という声も根強くあります。私も各社のチャットボットを使った経験で言うと、「二度とその会社のチャットボットサポートは使いたくない!」という経験の方が多いです。ではなぜ、巷のチャットボットは使えないケースが多いのでしょうか?この問題に対して起承転結で説明するには、このブログの中だけでは十分に語るのは難しいので、是非、最近毎月のようにITベンダーなどで実施されている、チャットボット・FAQの効果的運用・ナレッジマネージメントの実践などオンラインセミナーに参加してその要因を皆さんなりに把握・理解する事をお勧めします。大体どのセミナーでも同じような背景・問題提起・そして解決策まで詳しく解決してくれるセミナーが多いです。(私も勉強のためこの3か月で5つのセミナー聴講しています)
今回はそもそも論として、自社で活用しているチャットボットもFAQも同じナレッジ生成元から引用してきていると思いますので、その点について触れたいと思います。上記の円グラフにもあるように、そもそも自社サイトに掲載されているFAQがいけていない場合は、そのFAQを見て解決しなかったお客様が次ぎにチャットボットを使ったナビゲーションで解決しようとしても、解決しないのではという問題です。むしろお客様は「FAQ検索」⇒「チャットボットサポート」というアクションを続けながら結局解決しないのであれば、その分余計に手間取ったという悪い印象を抱くはずです。そして、初めの経験でこのチャットボットは使えないなぁ?という印象を持たれると、今後二度と使われなくなってしまうという悪循環を起しているリスクがある事です。
いわゆるFAQは「検索機能を活用して目的の回答を表示させる機能」であるが、チャットボットは「コミュニケーションを通じて目的のコンテンツを案内させる機能」であるので「会話デザイン」というプロセスが必要になってきます。この機能特性の違いをきちんと理解しないまま、FAQ作成の延長線でチャットボットを設計してしまうと失敗してしまう要因の一つになっています。この点に関しては上手く機能しているチャットボット設計をしているコールセンターの共通点として、以下が上げられます。
・まず「FAQ」が使える状態(顧客評価が高いなど)になっている。(新規作成から分析、評価・不要なFAQの取り外しなど専門のチームで運用を行っている)
・FAQとチャットボットは別々のチームで分析、評価、運用を行っている(完全に独立しているという意味では無く、共通部分は共有しながら、作成からUPまでの行程・運用手法は別物として運用しているという意味)
そもそも、自社サイトのFAQが上手く機能・顧客評価が高くないコールセンターで構築したチャットボットは機能しないという点です。
ちょっと今回は表面的な課題提起になっていますが、是非、自社サイトのFAQ・チャットボットの評価・棚卸しを行う機会にしてもらえればと思います。(次回ブログでもう少しこのテーマは深掘りをする予定です)
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2020年12月08日 16:00