Vol.67 新型コロナウイルス対応 最前線レポート ~その2~
まだまだ収束の兆しが見えない新型コロナウイルスの脅威ですが、3密職場の代表格であるコールセンターは今、どんな対応策をしているのか? リックテレコム社の「コールセンター ジャパン5月号」で各コールセンターの緊急アンケート調査報告が行われました。
冒頭のグラフはアンケートに回答してくれた企業(インハウス:67社、アウトソーサー:24社:合計91社)の「本社・管理部門とコールセンターで実施した施策」回答結果です。他にも詳細な項目・データ・考察がありますので是非、“月刊コールセンタージャパン5月号”を参照下さい。(定期購読以外にも書店でも購入できます。下記リンク先の書店で購入可能です)
https://callcenter-japan.com/magazine/4028.html
一番顕著なポイントは「在宅勤務への推奨」がコールセンター部門以外は71.4%の会社で実施・検討しているのに対して、コールセンター部門においては16.5%に留まっている点です。
時差出勤に伴う時短勤務もコールセンター部門以外では75.8%の会社で実施・検討しているのに対して、コールセンター部門では35.2%と半分以下に、有人対応の営業時間短縮に至っては実に10%しか実施・検討されてない状況です。
なかなか他部門業務とは異なり、在宅勤務体制を行う事の難しさ、特にアウトソーサーの場合は顧客対応上、今までの受付時間(サービスレベル)を下げるのが困難という現状を浮き彫りしている結果だと思います。
今月に入り大手アウトソーサーのオペレーター一同が3密環境の改善を求め、労働組合に加入した上で会社側に団体交渉を申し入れたというニュースもあります。
そんな中で最近、注目を集めているのが、チューリッヒ保険のBCP対応については前回、記事を紹介しました。「複数の方からその詳細を教えて欲しい!」という問い合せを受けましたが私自身はチューリッヒ保険のBCPプロジェクトに直接携わった事も無く媒体の情報でしか知りません。そのため今回は、更に詳細に「チューリッヒ保険のBCP対応の神危機対応のレポート」のリンク先を付けましたので下記を参照下さい。かなり詳しく書かれています。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200425-00235786-diamond-bus_all&p=1
前回も説明しましたが。チューリッヒ保険のBCP対応の検討は2011年の東日本大震災をきっかけに2013年当時から検討が進められ、昨今の台風などの自然災害・今年開催予定であった東京オリンピック時の在宅体制を目指して数年単位でシステム面、ハード面、運用・業務設計面を進められてきているので、どこの会社も簡単に同じような体制・レベルでのBCP対応ができるわけではありません。
ファシリティー関係では、在宅ワーク用の機器としてオペレーターに通話用ヘッドセット、パソコン、Wi-Fiルーター、スマートフォンの4点を貸与。これらのほかに、業務に適した机やイスがない人には、必要な物品を購入する目的の金銭補助(金額は購入品目にかかわらず一律同額)をしている。正直、今からこれらのハード面を早急に500台確保することも困難な状況です。
セキュリティ対策では、オペレーターはスマホで保険契約者などからの電話を受けるが、発信元の電話番号はスマホには表示されない仕組み。また傍受されないよう、通話内容には暗号化が施されている。オペレーターは契約者などとのやり取りをパソコンから社内システムに記録するが、仮想デスクトップのソフトウエアを使うことで、オペレーター側のパソコンには情報が一切保存できないようになっているようです。これらも短期に実現できるものではありません。
また雇用形態もオペレーターであってもそのほとんどが正社員、契約社員であり派遣社員の割合は極一部のようですので、ノートパソコンの貸与やセキュリティ対応の上でも万全です。
コールセンター業界誌やネットニュース、大手新聞紙上などでもチューリッヒ保険のBCP対応について特集として取り上げられておりその宣伝効果は絶大な効果があると思います。会社はそんな宣伝効果など考えていないと思いますが、今後の新人採用、優秀な専門家を採用する際には、特段、採用費をかけなくても優秀な応募者が後を絶たないと思います。
某有名IT企業でもその先進的な働き方改革(在宅勤務含めた柔軟な働き方の選択肢・手厚い福利厚生・多様な休職制度など)が各種メディアで紹介された後は、今まで採用できなかった超一流のキャリアのある方から、採用活動もしていないのに、勝手に相手から履歴書が人事部に送られてきたという話を聞きました。採用コスト0円で超優秀な社員の採用を安定的に実現しています。多分、チューリッヒ保険も、今後は業界の先駆者としての評価を高め、Afterコロナ以降も人材難・採用難にあえぐコールセンター業界において、圧倒的な勝ち組ポジションに立つと思います。
前回のブログでも書きましたが、今の有事における経営者・経営層の先見性・決断力が今試されていると思います。一刻も早く、コールセンター職場の3密状態を防ぐ方向に舵を切ってもらいたいと思います。
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2020年04月28日 11:02