VOL.7 コール1本あたりの単価:CPCの活用の仕方 <その2>
こんにちは!「さつき先生」です。
前回、CPCの計算問題を掲載しましたが、皆さん計算してみましたでしょうか?
CPCを計算する上でのポイントは大きく2つあります。
1. セクション毎にCPCを算出する場合、基本は人数割で経費毎に計算していく
2. 管理部門の費用はコール対応している部門に振り分ける・その際人数割配賦計算を行う
今回は、計算したCPCをどのように活用すると効果的か、その勘所をお伝えします。
冒頭の推移図をご覧下さい。
サンプルケースですが、2000年~2014年までのCPCの年度推移を折れ線グラフで表しています。CPCを毎月計算していても、あまり月単位でのCPCの変化に右往左往しない方が良いです。例えば、新人社員が入社して研修を行う場合、例え研修期間中であっても人件費はかかるので、研修期間中・新人割合の多い月はCPCが想像以上に上昇しますし、逆に繁忙期になると処理件数が増加するので、CPCが減少傾向になりますので、あまり月単位の動きに一喜一憂しない方が良いKPIです。
冒頭のグラフにあるように、オペレーターの職制変化(正社員⇒派遣・契約社員対応への切り替えなど)、FAQシステム導入してAHTの時間が削減していくなどの施策を行えば、確実にCPCは減少していきます。コールセンター運営のみならず、本社が家賃の安いビルに引っ越して経費の部門配賦額が減少してもCPCは減少していきます。
逆に、製品・サービスの多機能化・多角化でお客様対応時間が長くなれば、それに応じてCPCも上昇していきますし、本社が家賃の高いビルに引っ越して経費の部門配賦額が増加すればCPCは増加していきます。
2014年の例にあるように、首都圏にあるコールセンターが地方移設を行えば、大幅にCPCを減少させる事ができる(ちなみに移転時のイニシャルコストは省いての場合)
このように、CPCはコールセンターの運営・施策状況、会社経営上の変化を映し出す鏡のような重要なKPIです。オペレーターの職制変更やFAQシステムの導入、最近ではAIやRPAなどに代表される自動化・支援化サポートを行えば、処理時間が短縮されるので一般的にCPCは減少していく、一方、製品の多機能化・ユーザーの高齢化により、複雑な説明に処理時間が増加していけば一般的にCPCは増加していく。
こういう意味で、CPCは年度単位での自社センターが行ってきた施策・運営の通信簿としてチェックしてもらいたい。
ただし、CPCを社内で共有する上で、重要なポイント・落とし穴もありますが、それは次回に説明したいと思います。