VOL.8 コール1本の単価:CPC活用の落とし穴<その3>
こんにちは!「さつき先生」です。
前回、CPCを社内で共有する上で、重要なポイント・落とし穴がありますと書きましたが、その点について説明をします。
前回説明しましたようにCPCはコールセンターの運営・施策状況、会社経営上の変化を映し出す鏡のような重要なKPIです。
本来はコールセンターを管轄する本部長・主管取締役などは、このKPIに特に目を光らせていないといけないKPIです。しかし、実態としては、CPCをきちんと計算して経営指標として活用しているコールセンターは少ないのが実態です。しかし、私の公開研修では、その計算ロジックと活用法を講義するので、持ち帰って自社のCPCを計算する方も少なくありません。その際、必ず、一言下記の事を付け加えます。
「コールセンター運営に理解の無い本部長・役員には安易に見せてはいけない。」という事です。
その理由は、CPCは1本単価:1000円など数字で出てくるので、ある意味分かりやすい。コールセンター運営に理解の乏しい経営層がこの数字を一度見てしまうと、次は10円下がるのか?
30円下がるのか?と下がることばかり考えます。
本来、月単位でチェックするものでは無く、年度単位での比較指標として見ていくCPCですが、一度、経営層に見せてしまうと、次回からは、今のCPCはいくら? 上がっているの? 下がっているの?と応答率や処理時間のKPIなど関係無く、CPCにばかり意識が行ってしまいます。また、新人社員が大幅に入社した月は人件費が増加するが、CPCに貢献する処理件数には貢献しないので、急激にCPCが上昇します。そんな大幅に上昇したCPCを見てしまうと、次回の新人採用を止められたり、経費申請をストップさせられたり、意に反する指示がされる事になります。
また、CPCと相関関係の深い、処理時間が延びれば、それに比例してCPCも増加していきますが、コールセンターの運営とは関係無い部分として、本社からの部門配賦額が増えればそれに応じてCPCが増加します。例えば、本社が家賃の高いビルや賃貸面積を増加したなどの固定費が増加しても、本社経費が配布されるコールセンターのCPCも増加しますので、仮にCPCが増加している場合、それが内部要因なのか、外部要因なのかも見極める必要があります。
このように、CPCはシンプルに1本あたりの単価がでてくるので、経営層には「安い方が効率がいい! 増加傾向になれば新人採用を抑制しよう!」などの意識が働きますので、この辺りの理解を正しくできる関係性があれば、是非経営層とも共有して、自社センターの運営効率指標として役立てて下さい。