Vol.115 「コールセンター白書2021」を独自目線で考察! <その1>
(また、先日もご案内しましたが、現在は複数の大型案件対応中につき新規のアセスメント調査・課題解決案件のコンサルティングはお受けしておりません。受付再開の際にはこちらでご案内します。それまでは弊社HPより簡単なご相談は無料で対応させていただております。)
⇒簡単なご相談はこちらからどうぞ!
さて、先月10月にリックテレコム社から恒例の「コールセンター白書2021」が発売されました。例年このコールセンター白書のデータを私なりの考察を加えて「さつき先生ブログ」の中でシリーズでお伝えしています。そしてこのシリーズが1年間を通して一番アクセス数(率)の高い人気コーナーになっています。今年もリックテレコムの編集部様から特別に白書のデータ・資料を共有いただきましたので、CC白書からのデータ・トレンド推移から私の独自視点も交えて、今回から複数回に渡りシリーズでお伝えしていきます。
【コールセンター白書2021:コールセンターの運営課は何か?】
冒頭のグラフをご覧下さい。例年同じ質問をしている「コールセンターの運営課題は何ですか?」ですが、今年はコロナ禍2年目として、どんな変化をしているのでしょうか?コロナ禍前までは「採用難」、「離職の悪化」が長年の重要課題とされてきたコールセンターですが、昨年はコロナ禍の中、サービス業・飲食業・観光業が壊滅的な打撃を受けた影響と各アウトソーサーが国・地方自治体からのコロナ窓口受注の特需が発生し、コールセンターのオペレーター職がコロナ禍の就業の受け皿となり、一時的に採用難が改善した結果になってました。
しかし、昨年のCCブログでもコメントしていますが、この採用の特需は一時的な現象であって、コロナが落ち着けばまた以前の採用難・離職悪化に見舞われます・・と警笛を鳴らしてましたが、まさに今年の夏以降はその現象が至るところで発生しています。(ここの考察はまたシリーズ後半で詳しく触れたいと思います)
【今年の運営課題は呼量削減】
今回のテーマ:2021年度の「コールセンターの運営の課題」ですが前年よりも増加したのが「呼量の削減」・「呼量に応じた人員配置」とコロナ禍の影響が反映している結果だと思います。コールセンターの3密回避で在宅勤務シフトしたり、オペレーターを間引いたりしたが、それでは応答率をキープできない!在宅勤務させるのもお金かかるし、採用も大変だし、そもそもコール量が減ればこれらの問題もある程度解消するのでは!?という(安易な?)発想が目に浮かびます。まさに、今の世の中・コールセンター業界は「DX・AI・音声認識活用で無人対応のボイスボット・チャットボット・・花盛り」経営層から、現場に「DXを実践し、呼量を減らし、人件費を圧縮せよ!」という勅命が下っても不思議ではありません。しかし、そんな簡単に有益なコールは減らさずに、むしろ増加させて、不必要なコールだけ減らす事が可能なのでしょうか? DX・AI・・と言うが、いきなり経験の浅い組織と担当者でDXの実践!というのもなかなか難しいものがあります。
この辺りの経営層とコールセンター現場の意識ギャップが、「経営層のコールセンターの理解が無い」の数値が悪化している要因かもしれません。この課題も何十年も前から存在している、まさに鉄板の課題ですが、特にコロナ禍の中、経営層の理解がある先進企業と、理解の無い企業との格差は更に開いた感があります。このテーマを語りだすとエンドレスになってしまうので、ここでは一旦このような課題認識もあるよ!ぐらいに留めておきます。
次回以降「呼量削減」における最適なプロセス・参考事例をご紹介しますが、この1年間で最悪な事例も散見されました、例えば、企業のHPからフリーダイヤル番号を隠した(意図的に探しにくい奥の奥に移動した)、結果的にコール量は減少したが、オムニチャネル対応もしてないので会社代表電話にクレームが激増して顧客の不信感を買ってしまったとか、フリーダイヤルに電話するとIVRメッセージで「現在はHPのFAQでのみの回答になってます・・・」と一方的にメッセージが流れ切断された・有人転送への選択肢が無かった!など、CXとは程遠い形で呼量削減しているケースもありますが、果たしてこれが最適なのか?この点を次回以降考察していきたいと思います。
「コールセンター白書2021」の内容に興味がある・購買希望の方は下記を参照して下さい。
ここをクリック
2021年11月29日 10:00